【問317】貸金業務取扱主任者 練習問題|錯誤取消しの制限と第三者保護
民法・民事訴訟法 問11/114難易度C(難しい)
問題文
錯誤による意思表示の取消しに関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.表意者に重大な過失があった場合、いかなる場合でも錯誤による取消しは認められない。
- 2.表意者に重大な過失があった場合でも、相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときは、取消しが認められる。
- 3.錯誤による意思表示の取消しは、第三者が善意であれば過失の有無を問わず対抗することができない。
- 4.錯誤による取消権は、表意者本人のみが行使でき、相続人は行使できない。
解説
正解
正解は選択肢2です。民法第95条第3項第2号により、相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときは、表意者に重過失があっても取消しが認められます。
各選択肢の解説
選択肢1「重過失→いかなる場合も取消し不可」→ ❌
民法第95条第3項は重過失がある場合の取消し制限を規定していますが、同項各号で例外を設けています。相手方の悪意・重過失の場合や、相手方が同一錯誤の場合は取消しが認められます。
選択肢2「相手方が同一錯誤→取消し可能」→ ✅
民法第95条第3項第2号により、相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときは、表意者に重大な過失があっても取消しが認められます。双方が同じ錯誤をしている場合に一方のみを保護しないのは公平に反するからです。
選択肢3「善意の第三者に過失問わず対抗不可」→ ❌
民法第95条第4項により、錯誤による取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できません。「善意であれば過失の有無を問わず」ではなく、善意かつ無過失が要件です。
選択肢4「相続人は行使不可」→ ❌
取消権は一身専属権ではなく、相続の対象となります。表意者の相続人も取消権を行使できます。
背景知識
| 重過失の例外事由 | 根拠条文 |
|---|---|
| 相手方が錯誤を知り又は重過失で知らなかった | 第95条第3項第1号 |
| 相手方が同一の錯誤に陥っていた | 第95条第3項第2号 |
学習アドバイス
重過失の例外は2つあり、いずれも相手方の事情に着目した規定です。相手方も錯誤を知っていた(悪意・重過失)か、同じ錯誤をしていた場合は取消しが認められます。
まとめ
- 重過失があっても相手方の悪意・重過失又は同一錯誤の場合は取消し可能
- 錯誤取消しは善意かつ無過失の第三者に対抗不可
- 取消権は相続の対象となる