【問316】貸金業務取扱主任者 練習問題|動機の錯誤と表示の要件
民法・民事訴訟法 問10/114難易度B(標準)
問題文
動機の錯誤に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.借主Aが、事業資金の調達のために貸金業者Bから100万円を借り入れたが、実は事業計画が誤った情報に基づいていた場合、その動機が表示されていなくても錯誤を理由に取り消すことができる。
- 2.動機の錯誤による取消しが認められるためには、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていなければならない。
- 3.動機の錯誤は、表意者の内心の問題であるため、民法上は一切保護されない。
- 4.動機が法律行為の基礎とされていることが表示されていれば、その錯誤が重要なものでなくても取消しが認められる。
解説
正解
正解は選択肢2です。民法第95条第2項により、動機の錯誤の場合は法律行為の基礎とされていることが表示されていることが要件です。
各選択肢の解説
選択肢1「表示なくても取消し可能」→ ❌
動機の錯誤の場合、民法第95条第2項により、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていなければ取消しは認められません。内心の動機が表示されていない場合は保護されません。
選択肢2「基礎事情の表示が必要」→ ✅
民法第95条第1項第2号は「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」を規定し、同条第2項で「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」に限り取消しを認めています。
選択肢3「民法上一切保護されない」→ ❌
改正民法は動機の錯誤を明文で規定しており(第95条第1項第2号)、要件を満たせば取消しの対象となります。
選択肢4「重要でなくても取消し可能」→ ❌
動機の錯誤による取消しの場合も、その錯誤が「法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なもの」でなければなりません(民法第95条第1項柱書)。
背景知識
| 錯誤の要件 | 表示の錯誤 | 動機の錯誤 |
|---|---|---|
| 重要性 | 必要 | 必要 |
| 基礎事情の表示 | 不要 | 必要 |
| 重過失の制限 | あり | あり |
学習アドバイス
動機の錯誤は貸金業の実務でも重要です。借入れの動機(事業の見通し等)が錯誤であった場合の取扱いを理解しましょう。
まとめ
- 動機の錯誤は改正民法で明文化された
- 基礎事情が表示されていることが取消しの要件
- 重要性の要件も必要
- 表示の錯誤と動機の錯誤では要件が異なる