【問315】貸金業務取扱主任者 練習問題|強迫による意思表示
民法・民事訴訟法 問9/114難易度B(標準)
問題文
民法における強迫による意思表示に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.強迫による意思表示は、当然に無効であり、取消しを要しない。
- 2.強迫による意思表示の取消しは、善意かつ無過失の第三者に対しても対抗することができる。
- 3.第三者が強迫を行った場合、相手方がその事実を知らなかったときは、意思表示を取り消すことができない。
- 4.強迫による意思表示の取消権は、強迫が止んだ時から1年以内に行使しなければ消滅する。
解説
正解
正解は選択肢2です。強迫による取消しは、善意かつ無過失の第三者に対しても対抗することができます。
各選択肢の解説
選択肢1「当然に無効」→ ❌
強迫による意思表示は当然に無効ではなく、取り消すことができるにとどまります(民法第96条第1項)。取消しの意思表示を行うまでは有効です。
選択肢2「善意無過失の第三者にも対抗可能」→ ✅
民法第96条第3項は詐欺についてのみ第三者保護を規定しており、強迫による取消しには適用されません。したがって、強迫による取消しは善意かつ無過失の第三者に対しても対抗できます。これは強迫の被害者には落ち度がないためです。
選択肢3「第三者強迫は相手方の認識が必要」→ ❌
民法第96条第2項は詐欺についてのみ規定されており、強迫には適用されません。第三者が強迫を行った場合、相手方がその事実を知らなくても取消しが可能です。
選択肢4「1年以内に行使が必要」→ ❌
取消権は追認をすることができる時から5年間行使しないときに時効消滅し、また行為の時から20年を経過したときも消滅します(民法第126条)。「強迫が止んだ時から1年」ではありません。
背景知識
| 比較項目 | 詐欺 | 強迫 |
|---|---|---|
| 効果 | 取消し可能 | 取消し可能 |
| 第三者保護(96条3項) | 善意無過失の第三者に対抗不可 | 第三者にも対抗可能 |
| 第三者による行為(96条2項) | 相手方の認識が要件 | 常に取消し可能 |
| 取消権の期間 | 追認可能時から5年/行為時から20年 | 同左 |
学習アドバイス
強迫は詐欺よりも被害者保護が厚いことを理解しましょう。96条2項・3項はいずれも強迫には適用されない点がポイントです。
まとめ
- 強迫による意思表示は取消し可能(無効ではない)
- 第三者にも対抗可能(96条3項の適用なし)
- 第三者強迫でも常に取消し可能(96条2項の適用なし)
- 取消権の期間は追認可能時から5年、行為時から20年