【問312】貸金業務取扱主任者 練習問題|契約の無効と取消しの違い
民法・民事訴訟法 問6/114難易度C(難しい)
問題文
民法における契約の無効と取消しに関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.無効な行為は、追認によっても有効とすることはできないが、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなされる。
- 2.取り消すことができる行為は、取消権者が取り消すまでは無効であるが、取消しによって初めから有効となる。
- 3.無効な行為は、誰でもいつでもその無効を主張することができるが、取消しは裁判上でしか主張できない。
- 4.取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅する前であっても、有効に行うことができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。民法第119条により、無効な行為の追認は原則として効力を生じませんが、当事者が無効を知って追認したときは新たな行為をしたものとみなされます。
各選択肢の解説
選択肢1「無効を知って追認→新たな行為」→ ✅
民法第119条本文により無効な行為は追認によっても効力を生じません。ただし同条ただし書により、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなされます。
選択肢2「取消しまで無効、取消しで有効に」→ ❌
逆です。取り消すことができる行為は、取り消されるまでは一応有効であり、取消しによって初めから無効であったものとみなされます(民法第121条)。
選択肢3「取消しは裁判上でしか主張不可」→ ❌
取消しは裁判外でも相手方に対する意思表示によって行うことができます(民法第123条)。裁判上の主張に限られるわけではありません。
選択肢4「状況消滅前でも追認可能」→ ❌
取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ効力を生じません(民法第124条第1項)。
背景知識
| 区分 | 無効 | 取消し |
|---|---|---|
| 効力 | 初めから効力なし | 取り消されるまで有効 |
| 主張権者 | 原則として誰でも | 取消権者のみ |
| 追認 | 原則不可(例外あり) | 取消原因消滅後に可能 |
| 期間制限 | 原則なし | 追認可能時から5年等 |
学習アドバイス
無効と取消しの違いは基本中の基本です。効力の発生時期、主張権者、追認の可否を対比して整理しましょう。
まとめ
- 無効は初めから効力なし、取消しは取り消されるまで有効
- 無効を知って追認すれば新たな行為とみなされる
- 取消しは裁判外でも意思表示により可能
- 追認は取消原因消滅後に行う必要がある