【問311】貸金業務取扱主任者 練習問題|定型約款の規律
民法・民事訴訟法 問5/114難易度C(難しい)
問題文
民法における定型約款に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.定型約款とは、定型取引において契約の内容とすることを目的として準備された条項の総体をいう。
- 2.定型約款の条項のうち、相手方の権利を制限し又は相手方の義務を加重する条項であって、信義則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意をしなかったものとみなされる。
- 3.定型約款の変更は、変更後の条項の内容が相手方の一般の利益に適合する場合であっても、個別に相手方の同意を得なければ効力を生じない。
- 4.定型約款を準備した者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。
解説
正解
正解は選択肢3です。定型約款の変更が相手方の一般の利益に適合するときは、個別の同意なく変更の効力が生じます。
各選択肢の解説
選択肢1「条項の総体」→ ✅(適切)
民法第548条の2第1項の定義のとおりです。定型取引において契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体が定型約款です。
選択肢2「不当条項は合意しなかったものとみなす」→ ✅(適切)
民法第548条の2第2項により、相手方の権利を制限し又は義務を加重する条項であって、信義則に反して一方的に不利益を与えるものは、合意をしなかったものとみなされます(不当条項規制)。
選択肢3「一般の利益に適合しても個別同意が必要」→ ❌(不適切)
民法第548条の4第1項第1号により、定型約款の変更が相手方の一般の利益に適合するときは、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなされ、個別の同意は不要です。
選択肢4「請求があれば内容を示す義務」→ ✅(適切)
民法第548条の3第1項の規定どおりです。定型約款準備者は、定型取引合意の前後に関わらず、相手方の請求に応じて内容を示す義務を負います。
背景知識
| 定型約款の変更要件 | 個別同意 |
|---|---|
| 相手方の一般の利益に適合する場合 | 不要 |
| 契約目的に反せず、合理的な場合 | 不要(周知必要) |
| 上記に該当しない場合 | 必要 |
学習アドバイス
定型約款は民法改正の重要論点です。組入れ要件、不当条項規制、変更要件の3つを整理して覚えましょう。
まとめ
- 定型約款の不当条項は合意しなかったものとみなされる
- 相手方の一般の利益に適合する変更は個別同意不要
- 定型約款準備者には内容表示義務がある