【問305】貸金業務取扱主任者 練習問題|利息の天引きと元本充当の計算
利息制限法・出資法 問91/92難易度C(難しい)
問題文
利息制限法における利息の天引きに関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者が100万円を貸し付ける際に利息5万円を天引きした場合、元本は100万円として利息制限法の上限利率が適用される。
- 2.利息の天引きがなされた場合、受領額をもって元本とみなして利息制限法が適用されるため、天引額が利息制限法の上限利率により計算した利息の額を超えるときは、その超過部分は元本の支払に充てたものとみなされる。
- 3.利息の天引きは利息制限法で禁止されており、天引きが行われた場合は金銭消費貸借契約全体が無効となる。
- 4.100万円の貸付けに際し利息10万円を天引きした場合、実質的な元本は90万円となるが、利息制限法上の上限利率は元本100万円を基準に年15%が適用される。
解説
正解
正解は選択肢2です。利息制限法第2条により、利息の天引きがなされた場合は受領額を元本として計算し、天引額が上限利率による利息額を超えるときはその超過部分は元本の支払に充てたものとみなされます。
各選択肢の解説
選択肢1「元本は100万円として適用」→ ❌
利息の天引きがなされた場合、債務者が実際に受領した金額(100万円−5万円=95万円)を元本として利息制限法が適用されます(利息制限法第2条)。契約上の金額ではなく実質の受領額が基準です。
選択肢2「受領額を元本とみなし、超過部分は元本充当」→ ✅
利息制限法第2条の規定どおりです。天引きにより債務者が実際に受領した金額を元本として上限利率を計算し、天引額がその上限を超える場合は超過部分が元本の支払に充てられたものとみなされます。
選択肢3「天引きは禁止、契約全体が無効」→ ❌
利息の天引き自体は禁止されていません。天引きが行われた場合の利息制限法の適用方法を定めているのが第2条であり、契約全体が無効になるわけではありません。
選択肢4「上限利率は契約上の元本100万円基準」→ ❌
天引きがある場合、利息制限法の上限利率の判定は実質の受領額(90万円)を基準に行います。90万円は「10万円以上100万円未満」の区分で上限利率は年18%となり、年15%ではありません。
背景知識
| 項目 | 天引きなし | 天引きあり |
|---|---|---|
| 元本の基準 | 契約上の元本額 | 実際の受領額 |
| 利率判定の基準額 | 契約上の元本額 | 実際の受領額 |
| 超過分の処理 | 無効(元本充当) | 元本の支払に充当 |
学習アドバイス
利息の天引きは実務でも重要な論点です。「受領額=元本」という原則を理解し、天引きにより元本区分が変わる場合があることに注意しましょう。
まとめ
- 利息の天引きがある場合は受領額を元本とみなす
- 天引額が上限利率による利息額を超える場合は元本充当
- 天引き自体は禁止されていない
- 元本区分は実質の受領額で判定する