【問173】貸金業務取扱主任者 練習問題|生命保険契約の締結の制限
貸金業法 問173/214難易度C(難しい)
問題文
貸金業法における生命保険契約の締結の制限に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、貸付けの契約の相手方等の死亡によって保険金の支払を受けることとなる保険契約を締結した場合、当該保険契約に基づき保険金を受け取ったときは、当該保険金の額の当該債務の残額を超える部分を当該相手方等の遺族に支払わなければならない。
- 2.生命保険契約の締結の制限に違反した場合、当該保険契約は無効となる。
- 3.貸金業者が借り手の同意を得て生命保険契約を締結した場合でも、保険金額が債務の不履行により生ずべき損害額を超えるときは、制限に違反する。
- 4.貸金業法における生命保険契約の締結の制限は、借り手の生命を担保として不当に利用することを防止する趣旨の規定である。
解説
正解
正解は選択肢2です。生命保険契約の締結の制限に違反した場合でも、保険契約自体が直ちに無効となるわけではありません。
各選択肢の解説
選択肢1「残額を超える保険金は遺族に支払う」→ ✅(適切)
貸金業者が保険金を受け取った場合、債務の残額を超える部分は相手方等の遺族に支払わなければなりません。これは借り手側の利益を保護するための規定です。
選択肢2「違反した場合は保険契約が無効となる」→ ❌(不適切)
生命保険契約の締結の制限に違反した場合、貸金業者は行政処分の対象となりますが、保険契約自体が直ちに私法上無効となるわけではありません。貸金業法上の規制違反と私法上の効力は別の問題です。
選択肢3「損害額を超える保険金額は制限に違反」→ ✅(適切)
保険金額は債務不履行により貸金業者に生ずべき損害額を超えてはならないため、たとえ同意を得ていても、損害額を超える保険金額の保険契約は制限に違反します。
選択肢4「借り手の生命を担保として不当に利用することの防止」→ ✅(適切)
この規定は、かつて消費者金融等が借り手に高額な生命保険をかけ、借り手の死亡により貸付金を回収するという問題が社会問題化したことを背景に設けられたものです。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 貸金業法第12条の7 |
| 違反の効果 | 行政処分の対象(保険契約自体は直ちに無効にはならない) |
| 超過保険金 | 債務残額を超える部分は遺族に支払う義務 |
| 立法趣旨 | 借り手の生命を担保とする不当利用の防止 |
学習アドバイス
貸金業法上の規制違反と私法上の契約の効力は別次元の問題であることを理解しましょう。行政法規違反が直ちに私法上の無効をもたらすわけではないという法律の基本原則を押さえておくことが重要です。
まとめ
- 制限違反は行政処分の対象だが、保険契約が直ちに無効となるわけではない
- 超過保険金は遺族に支払う義務がある
- 同意があっても損害額超過の保険金額は制限違反となる