【問152】貸金業務取扱主任者 練習問題|都道府県知事と内閣総理大臣の権限分担
問題文
貸金業法における都道府県知事と内閣総理大臣の監督権限に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.都道府県知事の登録を受けた貸金業者に対する監督処分は、すべて当該都道府県知事のみが行うことができ、内閣総理大臣は一切関与することができない。
- 2.内閣総理大臣は、都道府県知事の登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益を損なうおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対し適当な措置をとるべきことを命ずることができる。
- 3.内閣総理大臣は、都道府県知事の登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し適当な措置をとるべきことを求めることができる。
- 4.2以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する貸金業者に対する監督処分は、当該貸金業者の主たる営業所が所在する都道府県の知事が単独で行う。
解説
正解
正解は選択肢3です。内閣総理大臣は、都道府県知事登録の貸金業者について、資金需要者等の利益の保護のために必要な措置を都道府県知事に「求める」ことができます。
各選択肢の解説
選択肢1「内閣総理大臣は一切関与できない」→ ❌
貸金業法第24条の6の8の規定により、内閣総理大臣は都道府県知事登録の貸金業者に関しても一定の関与が認められています。完全に無関係というわけではありません。
選択肢2「措置をとるべきことを命ずることができる」→ ❌
内閣総理大臣が都道府県知事に対して行えるのは「求める」ことであり、「命ずる」ことではありません。地方自治の観点から、国が地方公共団体に対して命令するのではなく、要求にとどまるとされています。この「命ずる」と「求める」の違いは重要な出題ポイントです。
選択肢3「措置をとるべきことを求めることができる」→ ✅
貸金業法第24条の6の8の規定により、内閣総理大臣は、都道府県知事の登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し適当な措置をとるべきことを求めることができます。
選択肢4「主たる営業所の知事が単独で行う」→ ❌
2以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する貸金業者は、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません(貸金業法第3条第2項)。したがって、監督権限は内閣総理大臣にあります。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 都道府県知事登録 | 1つの都道府県のみに営業所等を設置する場合 |
| 内閣総理大臣登録 | 2以上の都道府県に営業所等を設置する場合 |
| 内閣総理大臣の関与 | 知事登録業者について適当な措置を「求める」ことができる |
| 根拠条文 | 貸金業法第24条の6の8 |
内閣総理大臣と都道府県知事の権限分担は、地方分権の趣旨を反映しつつ、全国的な利用者保護を確保するバランスの上に成り立っています。内閣総理大臣の関与は「命令」ではなく「要求」にとどまる点が、地方自治への配慮として制度設計されています。
学習アドバイス
「命ずる」と「求める」の違いは頻出のひっかけポイントです。内閣総理大臣の権限は都道府県知事に対する「要求」にとどまる点、また登録区分の基準(営業所の設置場所)を正確に覚えましょう。
まとめ
- 内閣総理大臣は知事登録業者について知事に措置を「求める」ことができる(命ずるではない)
- 2以上の都道府県に営業所がある場合は内閣総理大臣登録となる
- 監督権限の分担は地方自治と利用者保護のバランスに基づく