【問106】貸金業務取扱主任者 練習問題|個人顧客の年収証明書の提出
問題文
貸金業法における個人顧客の年収等を証する書面(収入を明らかにする書面)の提出に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者が個人顧客と貸付けの契約を締結しようとする場合、当該貸付けの金額にかかわらず、常に年収等を証する書面の提出を受けなければならない。
- 2.貸金業者が個人顧客と貸付けの契約を締結しようとする場合において、当該貸金業者の当該個人顧客に対する1社の貸付残高が50万円を超える場合は、年収等を証する書面の提出を受けなければならない。
- 3.貸金業者が個人顧客と貸付けの契約を締結しようとする場合において、当該個人顧客の他の貸金業者を含めた借入総額が100万円を超える場合は、年収等を証する書面の提出を受けなければならない。
- 4.年収等を証する書面としては、源泉徴収票、確定申告書、給与の支払明細書(直近の1か月分)などが認められている。
解説
正解
正解は選択肢2です。貸金業法第13条第3項および貸金業法施行規則第10条の17に基づき、1社での貸付残高が50万円を超える場合に年収証明書の提出が必要です。
各選択肢の解説
選択肢1「金額にかかわらず常に提出が必要」→ ❌
年収等を証する書面の提出が必要となるのは、一定の基準を超える場合に限られます。すべての貸付けに対して常に求められるわけではありません(貸金業法第13条第3項)。少額の貸付けにまで一律に書面提出を求めることは実務上過度な負担となるためです。
選択肢2「1社の貸付残高が50万円を超える場合」→ ✅
貸金業法第13条第3項第1号および貸金業法施行規則第10条の17第1項第1号により、当該貸金業者における個人顧客への貸付けの残高が50万円を超える場合は、年収等を証する書面の提出を受けなければなりません。これは総量規制を実効的に運用するための重要な仕組みです。
選択肢3「借入総額が100万円を超える場合」→ ❌
他の貸金業者を含めた借入総額の基準は「100万円を超える場合」ですが、正確には「当該貸付けの金額と他の貸金業者からの借入残高の合算額が100万円を超える場合」です。記述の内容は概ね正しいように見えますが、「借入総額」という表現は不正確であり、正確には「当該貸付けの金額と指定信用情報機関から提供を受けた当該個人顧客に係る他の貸金業者の貸付残高を合算した額」が100万円を超える場合です(貸金業法施行規則第10条の17第1項第2号)。なお、選択肢2がより明確に正しいため、選択肢2が正解となります。
選択肢4「給与の支払明細書は直近1か月分」→ ❌
給与の支払明細書については、直近の2か月分以上のものが必要とされています(貸金業法施行規則第10条の17第3項)。「直近の1か月分」では不足するため誤りです。
背景知識
| 年収証明書の提出基準 | 金額要件 |
|---|---|
| 1社あたりの基準 | 貸付残高が50万円を超える場合 |
| 合算額の基準 | 他社を含めた合算額が100万円を超える場合 |
| 年収証明書の種類 | 備考 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 直近のもの |
| 確定申告書 | 直近のもの |
| 給与の支払明細書 | 直近2か月分以上 |
| 納税通知書 | 直近のもの |
| 年金証書 | 年金受給者の場合 |
学習アドバイス
年収証明書の提出基準は「1社50万円超」「合算100万円超」の2つの基準を正確に覚えましょう。また、給与明細書は「直近2か月分」であることも出題されやすいポイントです。
まとめ
- 年収証明書の提出は1社の貸付残高50万円超又は合算額100万円超の場合に必要
- 給与の支払明細書は直近2か月分以上が必要(1か月分では不可)
- 年収証明書の種類(源泉徴収票・確定申告書・給与明細書等)を正確に把握する