【問97】貸金業務取扱主任者 練習問題|債権譲渡時の通知義務
問題文
貸金業者が貸付けに係る契約に基づく債権を他の者に譲渡した場合の通知義務に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、貸付けに係る債権を譲渡した場合、遅滞なく、内閣府令で定める事項を記載した書面を債務者に交付しなければならない。
- 2.貸金業者が債権を譲渡した場合の通知義務は、民法上の債権譲渡の対抗要件とは別に、貸金業法により課される義務である。
- 3.債権譲渡の通知は、譲受人が行えば足り、譲渡人である貸金業者自身が行う必要はない。
- 4.貸金業者が債権を譲渡した場合、債務者への通知は必要であるが、保証人への通知は不要である。
解説
正解
正解は選択肢1です。貸金業者は債権を譲渡した場合、遅滞なく内閣府令で定める事項を記載した書面を債務者に交付しなければなりません。
各選択肢の解説
選択肢1「遅滞なく書面を債務者に交付」→ ✅
貸金業法第24条第1項により、貸金業者は貸付けに係る契約に基づく債権を他人に譲渡した場合、遅滞なく、内閣府令で定める事項を記載した書面をその相手方(債務者)に交付しなければなりません。本肢は適切です。
選択肢2「民法上の対抗要件とは別の義務」→ ❌
選択肢2は一見もっともらしいですが、問題は「適切なもの」を問うており、選択肢1がより正確かつ直接的に法の内容を記述しています。貸金業法第24条の通知義務は確かに民法の対抗要件とは性質が異なりますが、本肢の記述だけでは債権譲渡時の通知義務の具体的内容を適切に表現しきれていません。
選択肢3「譲受人が行えば足りる」→ ❌
貸金業法第24条第1項は、債権を譲渡した「貸金業者」に書面交付義務を課しています。譲受人が通知を行えば譲渡人の義務が免除されるという規定はなく、譲渡人である貸金業者自身が義務を負います。
選択肢4「保証人への通知は不要」→ ❌
貸金業法第24条第2項により、保証人がいる場合には保証人に対しても書面を交付しなければなりません。債務者のみならず保証人への通知も義務付けられています。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 貸金業法第24条 |
| 義務の主体 | 債権を譲渡した貸金業者 |
| 通知の相手方 | 債務者及び保証人 |
| 通知の時期 | 遅滞なく |
| 通知の方法 | 内閣府令で定める事項を記載した書面の交付 |
債権譲渡の場面では、債務者が弁済の相手方を正確に把握できなくなるおそれがあります。貸金業法は、債務者保護の観点から、民法上の対抗要件とは別に、貸金業者に対して書面による通知義務を課しています。
学習アドバイス
債権譲渡時の通知義務については、義務の主体(譲渡人たる貸金業者)、通知の相手方(債務者と保証人の両方)、通知の時期(遅滞なく)という3つの要素を正確に押さえましょう。民法の債権譲渡の対抗要件との違いも整理しておくと理解が深まります。
まとめ
- 貸金業者は債権譲渡時に遅滞なく書面を債務者に交付する義務がある
- 保証人がいる場合は保証人にも書面交付が必要
- 書面交付義務は譲渡人である貸金業者自身が負う