【問94】貸金業務取扱主任者 練習問題|弁護士介入後の直接請求禁止
問題文
貸金業法第21条第1項第9号に規定する、債務者等が弁護士等に債務の処理を委託した場合の取立て行為の制限に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.債務者が弁護士に債務の処理を委託し、その旨の通知があった場合でも、貸金業者は当該債務者に対して直接弁済を請求することができる。
- 2.債務者が弁護士に債務の処理を委託した場合、貸金業者は当該弁護士から書面による通知を受けたときに限り、当該債務者に対する直接の請求が制限される。
- 3.債務者が弁護士又は弁護士法人に債務の処理を委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があった場合、正当な理由がないのに当該債務者に対し直接弁済を要求してはならない。
- 4.債務者が弁護士に債務の処理を委託した場合であっても、貸金業者は元本のみの請求であれば当該債務者に対して直接請求することができる。
解説
正解
正解は選択肢3です。貸金業法第21条第1項第9号は、債務者が弁護士等に債務処理を委託した場合や裁判所での手続をとった場合に、書面による通知があったときは、正当な理由なく直接弁済を要求することを禁止しています。
各選択肢の解説
選択肢1「通知があっても直接請求できる」→ ❌
弁護士等から書面による通知があった場合、貸金業者は正当な理由がない限り債務者に対して直接弁済を要求することはできません(貸金業法第21条第1項第9号)。この規定は債務者が専門家の助力を得て債務を処理する権利を保護する趣旨です。
選択肢2「弁護士からの書面通知に限り制限」→ ❌
弁護士からの通知だけでなく、裁判所からの書面による通知があった場合にも直接請求が制限されます。債務者が裁判所における民事事件に関する手続をとった場合も同様に保護されます。
選択肢3「弁護士等又は裁判所からの書面通知で直接請求禁止」→ ✅
貸金業法第21条第1項第9号の規定どおりです。弁護士、弁護士法人、司法書士等への委託又は裁判所での手続について書面による通知があった場合に、正当な理由なく直接の弁済要求が禁止されます。
選択肢4「元本のみなら直接請求可能」→ ❌
直接請求の禁止は、元本・利息・損害金等の請求内容を問わず適用されます。元本のみであっても直接弁済を要求することは禁止されます(貸金業法第21条第1項第9号)。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 貸金業法第21条第1項第9号 |
| 委託先 | 弁護士、弁護士法人、司法書士等 |
| 通知の方法 | 書面による通知が必要 |
| 裁判所手続 | 民事事件に関する手続も対象 |
| 例外 | 正当な理由がある場合 |
この規定は、債務者が法律専門家の助力を得て適切に債務整理を行う権利を実質的に保障するためのものです。弁護士等の介入後も直接請求が続けば、専門家への委託が無意味になってしまうことから設けられました。
学習アドバイス
弁護士介入後の直接請求禁止は実務上も非常に重要な規定です。通知は「書面」で行われる必要があること、弁護士だけでなく裁判所からの通知も含まれること、そして「正当な理由」の例外があることを押さえましょう。
まとめ
- 弁護士等への委託又は裁判手続について書面通知があれば直接請求は原則禁止
- 通知は弁護士等又は裁判所からの書面が必要
- 請求内容(元本・利息等)を問わず禁止される