【問89】貸金業務取扱主任者 練習問題|勤務先への連絡の制限
問題文
貸金業法における取立て行為の規制のうち、債務者等の勤務先への連絡に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、またはこれらの場所を訪問してはならない。
- 2.債務者等の勤務先への連絡が認められる「正当な理由」の一つとして、債務者等から自宅や携帯電話への連絡に対する回答がなく、他に連絡を取る手段がない場合が挙げられる。
- 3.貸金業者は、債務者の勤務先に連絡する際、債務者の同僚に対して債務の存在を告げることができる。
- 4.債務者等が勤務先への連絡を行わないよう求めた場合、特段の事情がない限り、貸金業者は勤務先への連絡を控えなければならない。
解説
正解
正解は選択肢3です。貸金業者は、債務者以外の第三者に対し債務の存在を明らかにすることが禁止されており、勤務先の同僚に債務の存在を告げることはできません。
各選択肢の解説
選択肢1「居宅以外の場所への電話・訪問の禁止」→ ✅
貸金業法第21条第1項第2号により、正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、またはこれらの場所を訪問することが禁止されています。本肢は適切です。
選択肢2「他に連絡手段がない場合は正当な理由に該当」→ ✅
債務者等の自宅や携帯電話に連絡しても応答がなく、他に連絡を取る合理的な手段がない場合には、勤務先への連絡について「正当な理由」があると認められる場合があります。ガイドラインでもこの趣旨が示されています。本肢は適切です。
選択肢3「同僚に債務の存在を告げることができる」→ ❌
貸金業法第21条第1項第3号は、正当な理由がないのに債務者等以外の者に対して債務者等の借入れの事実等を明らかにすることを禁止しています。勤務先の同僚に債務の存在を告げることは明確にこの規定に違反します。本肢は不適切です。
選択肢4「連絡しないよう求められた場合は控える」→ ✅
債務者等が勤務先への連絡を行わないよう明確に求めた場合、特段の事情がない限り、その意思を尊重して勤務先への連絡を控えることが求められます。本肢は適切です。
背景知識
| 規制項目 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 勤務先等への連絡禁止 | 正当な理由なく居宅以外の場所への連絡禁止 | 第21条第1項第2号 |
| 第三者への告知禁止 | 債務者以外に借入れの事実等を明らかにすることの禁止 | 第21条第1項第3号 |
| 正当な理由の例 | 他に連絡手段がない場合等 | ガイドライン |
勤務先への連絡は、債務者の社会的信用や職場環境に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、貸金業法は勤務先への連絡自体を原則として禁止するとともに、仮に連絡する場合でも第三者に債務の存在を知らせることを別途禁止しています。
学習アドバイス
取立て規制では、第21条第1項の各号の規制内容を正確に区別して理解することが重要です。特に、勤務先への連絡の制限(第2号)と第三者への告知の禁止(第3号)は別個の規制であり、それぞれの要件を整理しておきましょう。
まとめ
- 正当な理由なく債務者の勤務先等に連絡することは禁止されている
- 勤務先の同僚など第三者に債務の存在を明らかにすることも別途禁止
- 他に連絡手段がない場合は勤務先への連絡の正当な理由となり得る