【問86】貸金業務取扱主任者 練習問題|受取証書と帳簿記載の関係
貸金業法 問86/214難易度C(難しい)
問題文
貸金業者の受取証書の交付義務と帳簿の備付け義務に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、弁済を受けた場合に受取証書を交付するとともに、帳簿にも弁済に関する事項を記載しなければならない。
- 2.帳簿には弁済を受けた金額、受領年月日その他内閣府令で定める事項を記載する必要がある。
- 3.受取証書を交付した場合であっても、帳簿への記載義務が免除されることはない。
- 4.帳簿に弁済を受けた金額を正確に記載していれば、受取証書を弁済をした者に交付しなくてもよい。
解説
正解
正解は選択肢4です。帳簿の記載と受取証書の交付は別個の義務であり、帳簿を記載したからといって受取証書の交付義務が免除されることはありません。
各選択肢の解説
選択肢1「受取証書の交付と帳簿への記載の両方が必要」→ ✅
貸金業者は、弁済を受けた場合、弁済をした者に対して受取証書を交付する義務(貸金業法第18条第1項)と、帳簿に弁済に関する事項を記載する義務(貸金業法第19条)の両方を負います。
選択肢2「帳簿に弁済金額・受領年月日等を記載する必要がある」→ ✅
貸金業法第19条及び貸金業法施行規則第16条により、帳簿には弁済を受けた金額、受領年月日その他内閣府令で定める事項を記載しなければなりません。
選択肢3「受取証書を交付しても帳簿記載は免除されない」→ ✅
受取証書の交付義務と帳簿の備付け・記載義務は、それぞれ独立した義務です。受取証書を交付したことをもって帳簿への記載義務が免除されることはありません。
選択肢4「帳簿に記載していれば受取証書の交付は不要」→ ❌
帳簿への記載義務と受取証書の交付義務は別個独立の義務です。帳簿に正確に記載していたとしても、弁済をした者に対する受取証書の交付義務は免除されません。帳簿は貸金業者の業務管理のため、受取証書は弁済をした者の保護のために、それぞれ異なる目的で義務づけられています。
背景知識
| 義務 | 根拠条文 | 目的 |
|---|---|---|
| 受取証書の交付 | 貸金業法第18条 | 弁済をした者の保護・弁済の証拠 |
| 帳簿の備付け・記載 | 貸金業法第19条 | 貸金業者の業務の適正な運営 |
| 帳簿の保存期間 | 貸金業法第19条第2項 | 最終の返済期日等から少なくとも10年間 |
学習アドバイス
受取証書(第18条)と帳簿(第19条)は、同じ弁済という事実に関する義務ですが、その目的と相手方が異なります。受取証書は「弁済をした者の保護」、帳簿は「業務管理・監督」が目的です。両者が独立した義務であることを理解しておきましょう。
まとめ
- 受取証書の交付義務と帳簿の記載義務は別個独立の義務である
- 帳簿を記載しても受取証書の交付義務は免除されず、逆もまた同様である
- 受取証書は弁済をした者の保護、帳簿は業務の適正な運営という異なる目的を持つ