【問70】貸金業務取扱主任者 練習問題|契約前書面の交付義務違反の効果
貸金業法 問70/214難易度C(難しい)
問題文
貸金業者が貸付けに係る契約の締結前の書面交付義務に違反した場合の効果に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.契約前書面の交付義務に違反した場合、当該貸付契約は当然に無効となる。
- 2.契約前書面の交付義務に違反した場合、行政処分の対象となり得るが、刑事罰の対象にはならない。
- 3.契約前書面の交付義務に違反した場合、業務改善命令、業務停止命令、登録取消し等の行政処分の対象となり得るほか、刑事罰の対象ともなり得る。
- 4.契約前書面の交付義務違反は軽微な違反であるため、行政指導の対象にとどまり、業務停止命令の対象にはならない。
解説
正解
正解は選択肢3です。契約前書面の交付義務違反は、行政処分のほか刑事罰の対象にもなり得る重大な法令違反です。
各選択肢の解説
選択肢1「貸付契約が当然に無効」→ ❌
契約前書面の交付義務違反は行政法上の義務違反であり、これに違反したからといって貸付契約が当然に無効となるわけではありません。契約の私法上の効力と行政法上の義務違反は別の問題です。
選択肢2「行政処分の対象だが刑事罰の対象にはならない」→ ❌
契約前書面の交付義務違反は、行政処分の対象となるだけでなく、貸金業法第48条の規定により刑事罰(1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらの併科)の対象にもなります。
選択肢3「行政処分・刑事罰の対象となり得る」→ ✅
契約前書面の交付義務違反に対しては、内閣総理大臣または都道府県知事による業務改善命令(第24条の6の3)、業務停止命令(第24条の6の4)、登録取消し(第24条の6の5)等の行政処分が可能であり、また刑事罰の対象にもなります。本肢は適切です。
選択肢4「行政指導にとどまり業務停止命令の対象にならない」→ ❌
契約前書面の交付義務は貸金業法上の重要な義務であり、その違反は軽微なものではありません。業務停止命令や登録取消しといった重い行政処分の対象にもなり得ます。
背景知識
| 違反の効果 | 内容 |
|---|---|
| 行政処分 | 業務改善命令、業務停止命令、登録取消し等 |
| 刑事罰 | 1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらの併科 |
| 私法上の効力 | 契約は当然には無効とならない |
| 根拠条文(罰則) | 貸金業法第48条 |
| 根拠条文(行政処分) | 第24条の6の3〜第24条の6の5 |
書面交付義務は、借り手の情報格差を是正し、適切な判断を確保するための重要な制度です。そのため、違反に対しては厳しい制裁が設けられています。一方、契約の私法上の効力には直接影響しない点に注意が必要です。
学習アドバイス
貸金業法の各義務違反に対する効果(行政処分・刑事罰・私法上の効力)を整理して学習することが重要です。特に、行政法上の義務違反と私法上の契約の効力は別の問題であることを理解しておきましょう。
まとめ
- 契約前書面の交付義務違反は行政処分と刑事罰の両方の対象となり得る
- 違反しても貸付契約が当然に無効となるわけではない(私法上の効力は別問題)
- 罰則は1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらの併科