【問67】貸金業務取扱主任者 練習問題|書面の交付義務(極度方式基本契約の場合)
貸金業法 問67/214難易度B(標準)
問題文
極度方式基本契約に係る契約締結前の書面の交付に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.極度方式基本契約を締結しようとする場合、貸金業者は契約締結前に極度額、貸付けの利率、返済の方式等を記載した書面を交付しなければならない。
- 2.極度方式基本契約の契約前書面には、極度額の記載は不要であり、個々の貸付けの際に貸付金額を記載した書面を交付すれば足りる。
- 3.極度方式基本契約においては、基本契約締結時に契約前書面を交付すれば、その後の個々の貸付けの際には契約前書面を一切交付する必要はない。
- 4.極度方式基本契約の契約前書面の記載事項は、通常の貸付契約の契約前書面の記載事項と完全に同一であり、追加の記載事項はない。
解説
正解
正解は選択肢1です。極度方式基本契約を締結する際にも、契約前書面の交付が必要であり、極度額等の記載が求められます。
各選択肢の解説
選択肢1「極度額・利率・返済方式等を記載した書面を交付」→ ✅
貸金業法第16条の2第2項に基づき、極度方式基本契約を締結しようとする場合には、極度額、貸付けの利率、返済の方式その他内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければなりません。本肢は適切です。
選択肢2「極度額の記載は不要」→ ❌
極度額は極度方式基本契約の最も重要な要素の一つであり、契約前書面の必須記載事項です(貸金業法第16条の2第2項第2号)。極度額の記載を省略することはできません。
選択肢3「個々の貸付けの際は契約前書面が一切不要」→ ❌
極度方式基本契約に基づく個々の貸付け(極度方式貸付け)についても、一定の場合には貸付けに係る契約の契約前書面の交付が必要となります(貸金業法第16条の2第3項)。「一切不要」とする本肢は不適切です。
選択肢4「記載事項が通常の貸付契約と完全に同一」→ ❌
極度方式基本契約の契約前書面には、通常の貸付契約の記載事項に加えて「極度額」など極度方式基本契約に特有の記載事項が定められています(貸金業法第16条の2第2項)。記載事項が完全に同一ということはありません。
背景知識
| 項目 | 通常の貸付契約 | 極度方式基本契約 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 第16条の2第1項 | 第16条の2第2項 |
| 極度額の記載 | 不要 | 必要 |
| 個々の貸付時の書面 | ― | 第16条の2第3項で別途規定 |
| 貸付けの利率 | 必要 | 必要 |
| 返済の方式 | 必要 | 必要 |
極度方式基本契約とは、一定の極度額の範囲内で反復継続して貸付けを行うことを約する契約です。カードローンやキャッシング枠の設定が典型例です。基本契約と個々の貸付けの二層構造を理解することが重要です。
学習アドバイス
極度方式基本契約に関する問題では、基本契約と個々の貸付け(極度方式貸付け)の二つのレベルがあることを意識しましょう。それぞれのレベルで書面交付義務がどのように定められているかを整理して学習することが効果的です。
まとめ
- 極度方式基本契約でも契約前書面の交付義務があり、極度額等の記載が必要
- 極度方式基本契約の記載事項には通常の貸付契約にはない「極度額」が含まれる
- 個々の極度方式貸付けの際にも、一定の場合には契約前書面の交付が必要となる