【問66】貸金業務取扱主任者 練習問題|書面の交付義務(交付時期と方法)
貸金業法 問66/214難易度B(標準)
問題文
貸金業法に基づく契約締結前の書面(契約前書面)の交付時期及び方法に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、貸付けに係る契約を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定める事項を記載した書面を相手方に交付しなければならない。
- 2.契約前書面は、資金需要者等が当該契約の内容を理解するために必要な期間を考慮して、契約締結の相当期間前に交付することが望ましいとされている。
- 3.契約前書面の交付は書面によることが原則であるが、相手方の承諾を得て電磁的方法により提供することも認められている。
- 4.契約前書面の交付は、契約締結後3日以内に行えば足りる。
解説
正解
正解は選択肢4です。契約前書面は「契約を締結するまでに」交付しなければならず、契約締結後では遅すぎます。
各選択肢の解説
選択肢1「契約を締結するまでに交付」→ ✅
貸金業法第16条の2第1項は、貸金業者が貸付けに係る契約を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定める事項を記載した書面をその相手方に交付しなければならないと規定しています。本肢は適切です。
選択肢2「契約締結の相当期間前の交付が望ましい」→ ✅
監督指針において、契約前書面は資金需要者等が契約内容を十分に理解するための期間を確保するため、契約締結の相当期間前に交付することが望ましいとされています。本肢は適切です。
選択肢3「電磁的方法による提供も可」→ ✅
貸金業法第16条の2第4項において、相手方の承諾を得た場合には、書面の交付に代えて電磁的方法により提供することが認められています。本肢は適切です。
選択肢4「契約締結後3日以内の交付で足りる」→ ❌
契約前書面は、その名のとおり契約を締結する「前」に交付すべきものです。貸金業法第16条の2第1項は「当該契約を締結するまでに」交付することを義務づけており、契約締結後の交付では契約前書面の趣旨を没却します。資金需要者が契約内容を事前に確認し、契約締結の判断材料とするためのものです。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 交付時期 | 契約を締結するまでに |
| 交付方法(原則) | 書面の交付 |
| 交付方法(例外) | 相手方の承諾を得た電磁的方法 |
| 交付の趣旨 | 資金需要者の契約判断のための情報提供 |
| 根拠条文 | 貸金業法第16条の2 |
契約前書面の制度趣旨は、資金需要者が契約の内容を十分に把握したうえで契約締結の判断ができるようにすることにあります。したがって、契約締結後の交付では制度の目的を達成できません。
学習アドバイス
契約前書面と契約締結時の書面(第17条)の交付時期の違いを明確に区別しましょう。契約前書面は「契約締結まで」、契約締結時の書面は「契約締結後遅滞なく」交付する点を整理して覚えることが重要です。
まとめ
- 契約前書面は「契約を締結するまでに」交付しなければならない
- 書面交付が原則だが、相手方の承諾を得れば電磁的方法も可能
- 契約前書面の趣旨は、資金需要者が契約内容を事前に理解し判断するためである