【問60】貸金業務取扱主任者 練習問題|著しく有利な誤認を与える表示
問題文
貸金業法第16条に規定する「実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示」に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸付けに際して審査があるにもかかわらず、「審査なしで誰でも即日融資可能」と広告することは、著しく有利であると人を誤認させるような表示に該当しうる。
- 2.返済期日に遅延した場合には遅延損害金が発生するにもかかわらず、「返済が遅れても一切ペナルティなし」と広告することは、著しく有利であると人を誤認させるような表示に該当しうる。
- 3.合理的な根拠なく「業界最低金利」と広告することは、著しく有利であると人を誤認させるような表示に該当しうる。
- 4.貸付けの実質年率が年15.0%から年18.0%の範囲である場合に、「実質年率15.0%〜18.0%」と表示することは、著しく有利であると人を誤認させるような表示に該当する。
解説
正解
正解は選択肢4です。実際の利率の範囲を正確に表示している場合は、著しく有利であると人を誤認させる表示には該当しません。
各選択肢の解説
選択肢1「審査なしで即日融資可能」→ ✅(該当しうる)
実際には審査が行われるにもかかわらず「審査なし」と表示することは、資金需要者に対して実際よりも著しく容易に融資を受けられるとの誤認を与えます。貸金業法第16条の「著しく有利であると人を誤認させるような表示」に該当するおそれがあります。
選択肢2「返済遅延でもペナルティなし」→ ✅(該当しうる)
遅延損害金が発生するにもかかわらず「一切ペナルティなし」と表示することは、返済条件が実際よりも著しく有利であるとの誤認を資金需要者に与えます。遅延損害金は法律上当然に発生するものであり、これがないかのような表示は有利誤認表示に該当しうるものです。
選択肢3「合理的根拠なく業界最低金利」→ ✅(該当しうる)
合理的な根拠がないにもかかわらず「業界最低金利」と表示することは、他の貸金業者と比較して最も有利な条件であるとの誤認を資金需要者に与えます。客観的なデータに基づかない優位性の主張は、著しく有利であると誤認させる表示に該当しうるものです。
選択肢4「実際の利率範囲を正確に表示」→ ❌(該当しない)
貸付けの実質年率が年15.0%から年18.0%の範囲である場合に、その範囲をそのまま「実質年率15.0%〜18.0%」と表示することは、事実に基づく正確な表示です。実際の利率範囲と広告の表示が一致しているため、資金需要者に有利な誤認を与えるものではなく、誇大広告には該当しません。
背景知識
「著しく有利であると人を誤認させるような表示」は、資金需要者が実際の条件よりも有利であると誤解し、不適切な判断をしてしまうことを防ぐための規制です。
| 表示の類型 | 具体例 | 該当性の判断 |
|---|---|---|
| 融資条件の容易さの誇張 | 「無審査」「誰でもOK」 | 実態と異なれば該当しうる |
| 返済条件の有利さの誇張 | 「ペナルティなし」「いつでも返済自由」 | 実態と異なれば該当しうる |
| 他社比較の根拠なき優位性 | 「業界最低金利」「No.1の低金利」 | 根拠がなければ該当しうる |
| 事実に基づく正確な表示 | 実際の利率範囲の表示 | 該当しない |
判断の基準は、一般的な資金需要者の視点から見て、実際の条件よりも著しく有利であると誤認するおそれがあるかどうかです。
学習アドバイス
有利誤認表示の問題では、「表示内容と実態が一致しているか」を常に確認しましょう。事実を正確に表示している場合は誇大広告に該当しません。一方、根拠のない優位性の主張や、実態と異なる条件の表示は違反となります。「著しく」の要件も重要で、軽微な相違は対象外です。
まとめ
- 実態と異なる「審査なし」「ペナルティなし」等の表示は有利誤認表示に該当しうる
- 合理的根拠のない「業界最低金利」等の優位性表示も該当しうる
- 実際の利率範囲を正確に表示する場合は誇大広告に該当しない