【問50】貸金業務取扱主任者 練習問題|内部管理体制と監督指針
問題文
貸金業者の内部管理体制及び監督上の評価に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、法令等の遵守のための態勢を整備し、役員及び従業者が法令等を遵守して業務を行うよう指導及び管理を行う必要がある。
- 2.監督指針においては、貸金業者の経営管理(ガバナンス)態勢が適切に構築されているかが重要な着眼点とされている。
- 3.貸金業者は、内部監査体制を整備し、業務の適正な運営を確保するために自主的な監査を実施することが求められている。
- 4.監督当局は、貸金業者の内部管理体制を検査する場合、当該貸金業者の経営方針や事業計画の当否について直接判断を行い、経営の意思決定に介入することが監督指針上認められている。
解説
正解
正解は選択肢4です。監督当局は貸金業者の法令遵守体制や業務の適正性を検査しますが、経営方針や事業計画の当否について直接判断し経営の意思決定に介入することは、監督指針の趣旨に反します。
各選択肢の解説
選択肢1「法令遵守態勢の整備と従業者の指導管理」→ ✅
貸金業者は、コンプライアンス態勢を整備し、役員及び従業者が法令等を遵守して業務を行うよう適切に指導・管理する必要があります。監督指針においても、法令等遵守態勢の整備は重要な着眼点の一つとされています。
選択肢2「経営管理(ガバナンス)態勢が着眼点」→ ✅
監督指針では、貸金業者の経営管理態勢が適切に構築されているかが重要な着眼点とされています。取締役会等の機能、内部統制システムの整備状況、リスク管理態勢など、ガバナンスの実効性が評価されます。
選択肢3「内部監査体制の整備」→ ✅
貸金業者には、業務の適正な運営を確保するために内部監査体制を整備し、自主的な監査を実施することが求められています。内部監査は、法令遵守や社内規則の遵守状況を自ら検証するための重要な機能です。
選択肢4「経営の意思決定に介入することが認められている」→ ❌
監督当局は、貸金業者の法令遵守態勢、顧客保護態勢、リスク管理態勢等の適切性を検査・監督しますが、貸金業者の経営方針や事業計画そのものの当否を判断し、経営の意思決定に直接介入することは監督の目的ではありません。監督指針は、あくまで業務の適正性確保と資金需要者等の保護を目的としており、経営判断への介入は原則として想定されていません。
背景知識
| 監督上の着眼点 | 内容 |
|---|---|
| 経営管理態勢 | 取締役会の機能、内部統制の整備 |
| 法令等遵守態勢 | コンプライアンス方針、研修体制 |
| 顧客保護態勢 | 苦情処理、情報管理、勧誘の適正化 |
| リスク管理態勢 | 信用リスク、流動性リスクの管理 |
| 内部監査態勢 | 自主的な監査の実施、改善措置 |
監督指針は、貸金業者の業務運営の適正性を確保するための監督上の考え方と着眼点を示すものです。監督当局は、法令の範囲内で貸金業者の態勢整備状況を確認しますが、経営そのものへの介入は行いません。これは行政の中立性と民間企業の経営自主性を尊重する原則に基づいています。
学習アドバイス
監督指針の問題では、「監督当局がどこまで介入できるか」がポイントです。態勢整備の確認は可能でも、経営判断への直接介入はできないという境界線を理解しましょう。内部管理体制の各要素(ガバナンス、コンプライアンス、内部監査等)を体系的に整理すると全体像が見えてきます。
まとめ
- 貸金業者には法令遵守態勢、経営管理態勢、内部監査態勢の整備が求められる
- 監督指針はガバナンスや顧客保護態勢を着眼点として示している
- 監督当局は態勢の適正性を検査するが、経営判断そのものへの介入は行わない