【問42】貸金業務取扱主任者 練習問題|帳簿不備と行政処分の関係
問題文
貸金業者の帳簿の備付け及び保存に関する義務違反と行政処分等に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.内閣総理大臣又は都道府県知事は、貸金業者が帳簿の備付け義務に違反した場合、当該貸金業者の登録を取り消し、又は1年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 2.貸金業者が帳簿に虚偽の記載をした場合、当該貸金業者は1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科される。
- 3.貸金業者が帳簿を備え付けなかった場合であっても、貸付けの契約の相手方に実害が生じていなければ、行政処分の対象とはならない。
- 4.貸金業者が帳簿の備付け義務に違反した場合、監督当局は当該貸金業者に対して業務改善命令を発することができる。
解説
正解
正解は選択肢3です。帳簿の備付け義務違反は、相手方への実害の有無にかかわらず行政処分の対象となります。
各選択肢の解説
選択肢1「登録取消し又は業務停止命令」→ ✅
貸金業法第24条の6の4に基づき、内閣総理大臣又は都道府県知事は、貸金業者が法令に違反した場合、登録の取消し又は1年以内の期間を定めた業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができます。帳簿の備付け義務違反(第19条違反)もこの対象に含まれます。
選択肢2「虚偽記載で1年以下の懲役等」→ ✅
貸金業法第48条第1項第4号により、帳簿に虚偽の記載をした者は、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科されます。帳簿の虚偽記載は刑事罰の対象です。
選択肢3「実害がなければ処分対象にならない」→ ❌
帳簿の備付け義務は貸金業法第19条に定められた法律上の義務であり、その違反は相手方への実害の有無を問わず行政処分の対象となります。帳簿の備付けは貸金業の業務の適正化のために不可欠な制度であり、実害が生じていないことは違反を免れる理由にはなりません。
選択肢4「業務改善命令の対象」→ ✅
貸金業法第24条の6の3に基づき、監督当局は貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護のために必要かつ適当であると認めるときは、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができます。
背景知識
| 違反内容 | 処分・罰則 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 帳簿の未備付け | 行政処分(登録取消し・業務停止) | 貸金業法第24条の6の4 |
| 帳簿の虚偽記載 | 1年以下の懲役又は300万円以下の罰金 | 貸金業法第48条第1項第4号 |
| 帳簿の保存義務違反 | 行政処分(業務改善命令等) | 貸金業法第24条の6の3 |
帳簿に関する義務違反は、行政処分と刑事罰の両面から規制されています。特に虚偽記載については刑事罰が科される重大な違反であることを押さえておく必要があります。行政処分は実害の有無を要件としておらず、法令違反それ自体が処分の根拠となります。
学習アドバイス
行政処分は「実害の有無」ではなく「法令違反の事実」に基づいて行われるという原則を理解しておきましょう。帳簿関連では、未備付け・虚偽記載・保存義務違反でそれぞれ異なる処分・罰則が定められていますので、整理して覚えることが重要です。
まとめ
- 帳簿の備付け義務違反は実害の有無にかかわらず行政処分の対象
- 帳簿の虚偽記載は刑事罰(1年以下の懲役又は300万円以下の罰金)の対象
- 行政処分には登録取消し、業務停止命令、業務改善命令がある