【問36】貸金業務取扱主任者 練習問題|届出漏れと行政処分
問題文
貸金業者の届出義務違反に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者が変更届出を怠った場合、直ちに貸金業の登録が取り消される。
- 2.貸金業者が虚偽の届出をした場合、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれらの併科に処せられることがある。
- 3.貸金業者が廃業届出を怠った場合であっても、届出の遅延のみを理由とする行政処分を受けることはない。
- 4.変更届出の届出期限を徒過した場合、届出をすること自体ができなくなり、改めて新規の登録申請をしなければならない。
解説
正解
正解は選択肢2です。貸金業法第50条第1項第1号により、虚偽の届出をした場合は1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれらの併科に処せられます。
各選択肢の解説
選択肢1「届出を怠ると直ちに登録取消し」→ ❌
変更届出を怠ったことのみをもって、直ちに登録が取り消されるわけではありません。内閣総理大臣又は都道府県知事は、業務改善命令や業務停止命令などの段階的な行政処分を行うことができます(貸金業法第24条の6の4等)。ただし、悪質な場合には登録取消しに至る可能性はあります。
選択肢2「虚偽届出は1年以下の懲役又は300万円以下の罰金」→ ✅
貸金業法第50条第1項第1号の規定どおりです。虚偽の届出は単なる届出遅延とは異なり、積極的な法令違反行為として刑事罰の対象となります。届出義務に関する罰則として重要な規定です。
選択肢3「届出遅延のみでは行政処分を受けない」→ ❌
届出の遅延も貸金業法違反であり、行政処分の対象となりえます。内閣総理大臣又は都道府県知事は、法令違反があった場合に業務改善命令等の処分を行うことができます(貸金業法第24条の6の4)。届出遅延のみであっても処分対象から除外されるわけではありません。
選択肢4「届出期限を過ぎると届出不能」→ ❌
届出期限を徒過した場合であっても、届出をすること自体ができなくなるわけではありません。期限後であっても速やかに届出をすべきであり、遅延に対する行政処分等の対象にはなりますが、新規登録申請が必要になるものではありません。
背景知識
| 違反行為 | 罰則・処分 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 虚偽の届出 | 1年以下の懲役又は300万円以下の罰金 | 貸金業法第50条第1項第1号 |
| 届出義務違反 | 行政処分(業務改善命令等)の対象 | 貸金業法第24条の6の4 |
| 届出遅延 | 行政処分の対象となりうる | 同上 |
| 悪質な法令違反 | 登録取消し | 貸金業法第24条の6の5 |
虚偽届出と届出遅延では法的効果が大きく異なります。虚偽届出は刑事罰の対象ですが、単なる届出遅延は行政処分の対象にとどまるのが一般的です。ただし、いずれの場合も速やかに是正することが重要です。
学習アドバイス
届出義務違反の法的効果は「虚偽届出→刑事罰」「届出遅延→行政処分」の違いを軸に整理しましょう。登録取消しは最も重い処分であり直ちに行われるものではない点、期限後でも届出自体は可能である点も重要な知識です。
まとめ
- 虚偽の届出は1年以下の懲役又は300万円以下の罰金の対象
- 届出遅延は行政処分の対象となるが直ちに登録取消しとはならない
- 届出期限を過ぎても届出自体は可能であり新規登録は不要