【問118】個人情報保護士 練習問題|苦情処理と委員会の監督権限
問題文
個人情報の取扱いに関する苦情処理と、個人情報保護委員会の監督権限に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 1.個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない
- 2.認定個人情報保護団体は、苦情の解決の申出を受けたときは相談に応じ、申出人に必要な助言をしなければならない
- 3.個人情報保護委員会は、必要な限度において事業者に報告を求め、その職員に立入検査をさせることができる
- 4.個人情報保護委員会が命令を行うには必ず勧告を経る必要があり、緊急の場合でも例外は認められない
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り(正しい記述)
個人情報保護法第40条第1項は「個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない」と定めています。同条第2項は、そのために必要な体制の整備にも努めるべきことを求めています。いずれも努力義務です。
選択肢2 → ❌誤り(正しい記述)
個人情報保護法第53条第1項により、認定個人情報保護団体は、本人その他の関係者から対象事業者の取扱いに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、事情を調査するとともに、対象事業者に苦情の内容を通知してその迅速な解決を求めなければなりません。
選択肢3 → ❌誤り(正しい記述)
個人情報保護法第146条第1項により、委員会は第4章の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者等に対し必要な報告や資料の提出を求め、また職員に事務所その他必要な場所へ立ち入らせ、質問させ、帳簿書類その他の物件を検査させることができます。
選択肢4 → ✅正解
個人情報保護法第148条第3項は、第1項・第2項にかかわらず、一定の重大な違反があり「個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるとき」は、勧告を経ることなく、違反行為の中止その他是正に必要な措置をとるべきことを直接命ずることができると定めています。したがって「緊急の場合でも例外は認められない」は誤りです。
背景知識
委員会の監督は段階を踏む建付けになっています。まず第146条の報告徴収・立入検査で事実を把握し、第147条の指導・助言、第148条第1項の勧告、勧告に従わず重大な権利利益の侵害が切迫している場合の第2項の命令、と進みます。もっとも第3項に緊急命令の定めがあり、重大な違反があって緊急の必要があるときは勧告を経ずに命令できます。命令に違反したときは、その旨を公表することができます(第148条第4項)。なお委員会が権限を行使するにあたっては、表現の自由・学問の自由・信教の自由・政治活動の自由を妨げてはならないという制約があります(第149条)。
学習アドバイス
「指導・助言 → 勧告 → 命令」という原則の流れと、緊急時には勧告を飛ばして命令できるという例外をセットで覚えましょう。事業者側の苦情処理(第40条)が努力義務であるのに対し、認定個人情報保護団体の苦情処理(第53条)は義務である点も対比で問われます。
まとめ
- 事業者の苦情処理(法第40条)は努力義務
- 委員会は報告徴収・立入検査(第146条)で事実を把握する
- 緊急の必要があるときは勧告を経ずに命令できる(第148条第3項)