【問76】個人情報保護士 練習問題|従業者の義務と罰則
問題文
従業者が個人情報の取扱いに関して負う義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.事業者は従業者に対する必要かつ適切な監督義務を負い、従業者は業務上知り得た個人情報をみだりに他人に知らせてはならない。
- 2.従業者の秘密保持義務は在職中のみ有効であり、退職後は一切の義務を負わない。
- 3.派遣社員は派遣元との雇用関係にあるため、派遣先の個人データに関する秘密保持義務は負わない。
- 4.従業者が故意に個人データを漏えいした場合でも、個人情報保護法上の罰則は適用されない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
個人情報保護法第24条は、事業者に対し「従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、必要かつ適切な監督を行わなければならない」と定めています。法が名宛人としているのは事業者であり、従業者個人に一般的な守秘義務を課す規定は個人情報保護法にはありません。従業者の秘密保持は、事業者が就業規則・誓約書・教育等を通じて確保するものです(不正競争防止法上の営業秘密や、番号法上の特定個人情報のように、別の法律で従業者個人が直接規制される場面はあります)。
選択肢2 → ❌誤り
事業者の監督義務の履行として、就業規則や秘密保持契約等で退職後の秘密保持を明記することが求められます。個人情報保護委員会のガイドラインも、退職後を含めた措置を講じることを求めています。
選択肢3 → ❌誤り
派遣社員は派遣先の指揮監督の下で業務を行うため、派遣先の「従業者」に含まれます。したがって、派遣先の個人データに関する秘密保持義務も負います。
選択肢4 → ❌誤り
個人情報保護法第179条では、個人情報取扱事業者等の業務に従事する者等が、正当な理由なく個人の秘密に属する事項が記録された個人情報ファイルを提供した場合等に罰則が定められています。
背景知識
個人情報保護法は従業者に対して一定の義務を課しています。令和2年改正法(令和4年4月1日施行)では、法人に対する罰則が大幅に引き上げられ、法人重科(個人情報データベース等の不正提供に対して1億円以下の罰金等)が導入されました。また、従業者個人に対しても1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科される場合があります。従業者への監督・教育を通じて、個人データの適切な取扱いを徹底することが事業者にとって重要です。
学習アドバイス
従業者の義務は在職中だけでなく退職後も継続する点、派遣社員も派遣先の従業者に含まれる点を正確に理解しましょう。罰則の具体的な内容も押さえておくと安心です。
まとめ
- 従業者は個人情報をみだりに漏らしたり不当利用してはならない
- 秘密保持義務は退職後も継続する
- 違反には刑事罰が適用される場合がある