【問49】個人情報保護士 練習問題|利用目的の特定・通知・公表
問題文
個人情報取扱事業者A社は、顧客から取得した個人情報を「商品の発送」の目的で利用していたが、新たに「ダイレクトメールの送付」にも利用したいと考えている。この場合の対応として、最も適切なものはどれか。
- 1.商品の発送とダイレクトメールの送付は関連性があるため、利用目的の変更として本人に通知または公表すれば足りる。
- 2.利用目的の変更にあたらないため、特段の対応は不要である。
- 3.利用目的の範囲を超える利用となるため、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
- 4.個人情報保護委員会に届け出た上で、利用目的を変更すればよい。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
「商品の発送」と「ダイレクトメールの送付」は、性質が異なる利用目的です。「商品の発送」は注文に基づく配送業務であり、「ダイレクトメールの送付」は宣伝・マーケティング行為であるため、本人が通常予期し得る範囲を超えると考えられます。利用目的の変更(法第17条第2項)として通知・公表のみで対応することはできません。
選択肢2 → ❌誤り
「ダイレクトメールの送付」は当初の利用目的「商品の発送」とは異なる利用であるため、何らかの対応が必要です。特段の対応なく利用することはできません。
選択肢3 → ✅正解
「商品の発送」という利用目的は、顧客の注文に応じた配送業務を指すものであり、「ダイレクトメールの送付」という宣伝・マーケティング目的とは性質が異なります。ガイドラインでは、本人が通常予期し得る限度を超える変更は法第17条第2項の範囲外とされており、この場合は利用目的の範囲を超える利用として、あらかじめ本人の同意を得なければなりません(法第18条第1項)。
選択肢4 → ❌誤り
利用目的の変更について個人情報保護委員会への届出制度はありません。
背景知識
利用目的の変更が法第17条第2項の範囲内かどうかは、変更後の利用目的が変更前の利用目的から見て、本人が通常予期し得る限度内であるかにより判断されます。「商品の発送」は顧客が商品を注文した際の配送という具体的業務を指し、「ダイレクトメールの送付」は事業者側からの宣伝活動です。両者は商品に関連するとはいえ、利用の性質が異なるため、合理的関連性の範囲を超えると考えられ、目的外利用として本人同意が必要です。
学習アドバイス
利用目的の変更が法第17条第2項の範囲内かどうかの判断は実務的に重要です。配送業務と宣伝・マーケティングは性質が異なることを理解し、利用目的の範囲を超える場合は本人同意が必要となる点を押さえましょう。
まとめ
- 「商品の発送」から「ダイレクトメールの送付」は利用目的の範囲を超える
- 利用目的の範囲を超える利用にはあらかじめ本人の同意が必要
- 利用目的変更について個人情報保護委員会への届出制度はない