【問35】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|時効の更新と完成猶予
問題文
時効の更新と完成猶予に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.債務者が債務を承認しても時効には影響しない。
- 2.確定判決等があれば時効は更新される。
- 3.催告により時効は当然に更新される。
- 4.強制執行は時効の更新事由ではない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法152条1項により、債務者の承認は時効の更新事由となり、その時から新たに時効が進行します。承認は時効に影響しないという記述は誤りです。
選択肢2 → ✅
民法147条により、裁判上の請求(同条1項1号)があると時効の完成は猶予され、確定判決等により権利が確定したとき(同条2項)は時効が更新され、その時から新たに進行します。
選択肢3 → ❌
民法150条により、催告は時効完成を「猶予」する事由(完成猶予)であり、催告から6か月以内に裁判上の請求等の措置をとらなければ時効は完成します。催告のみでは更新されません。
選択肢4 → ❌
民法148条により、強制執行・担保権実行・形式競売・財産開示手続等は時効の完成猶予事由であり、その手続が終了した時から新たに時効が進行(更新)します。
背景知識
2017年改正により、従来の「時効の中断」は「時効の更新」、「時効の停止」は「時効の完成猶予」と用語が変更され、内容も整理されました。完成猶予事由(時効完成を一定期間延長)は(1)裁判上の請求等(147条1項)、(2)強制執行等(148条1項)、(3)仮差押え・仮処分(149条)、(4)催告(150条)、(5)協議を行う旨の合意(151条)、(6)未成年者・成年被後見人の保護(158条)など。更新事由(時効進行を新たに開始)は(1)裁判上の確定判決(147条2項)、(2)強制執行等の終了(148条2項)、(3)権利の承認(152条)などです。承認は債務者が単独で時効を更新できる重要な事由です。実務では、債務者から「分割払いをお願いします」などの返答も承認となり時効が更新される可能性があります。
学習アドバイス
2017年改正で「中断→更新」「停止→完成猶予」の用語変更を必ず覚えましょう。完成猶予事由と更新事由の違い(猶予=延長、更新=リセット)を整理してください。承認(152条)が単独で更新事由となる点、催告(150条)は単独では猶予のみで6か月以内の追加措置が必要な点が頻出です。
まとめ
- 2017年改正で「中断→更新」「停止→完成猶予」
- 承認(152条)は時効更新事由
- 催告(150条)は完成猶予のみで更新には別措置必要