【問29】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|双務契約と片務契約
法体系・取引の基礎 問29/40難易度C(難しい)
問題文
双務契約と片務契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.売買契約は当事者の一方のみが債務を負う片務契約である。
- 2.贈与契約は双方が対価関係にある債務を負う双務契約である。
- 3.双務契約においては同時履行の抗弁権が認められる。
- 4.賃貸借契約は片務契約であり、賃借人は賃料支払義務のみを負う。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
売買契約は売主が目的物引渡義務、買主が代金支払義務という対価関係にある債務を相互に負う双務契約です(民法555条)。片務契約ではありません。
選択肢2 → ❌
贈与契約は贈与者のみが財産を与える債務を負い、受贈者は対価を支払わない片務契約です(民法549条)。双務契約ではありません。
選択肢3 → ✅
民法533条により、双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまで自己の債務の履行を拒むことができます。これを同時履行の抗弁権といい、双務契約に特有の効果です。
選択肢4 → ❌
賃貸借契約は賃貸人の使用収益させる義務と賃借人の賃料支払義務が対価関係にある双務契約です(民法601条)。片務契約ではありません。
背景知識
契約は当事者の負う債務の関係から、双務契約と片務契約に分類されます。双務契約は当事者双方が対価関係にある債務を負う契約で、売買・賃貸借・雇用・請負・委任(有償)などが該当します。片務契約は一方のみが債務を負うか、双方が債務を負っても対価関係にない契約で、贈与・使用貸借・無償寄託などが典型例です。双務契約特有の効果として、(1)同時履行の抗弁権(民法533条)、(2)危険負担(536条)があります。同時履行の抗弁権は相手方の履行があるまで自己の履行を拒める権利で、自力救済禁止下での重要な防御手段です。2017年改正により危険負担の規定も整理され、債務者主義(536条1項)が原則となりました。
学習アドバイス
代表的な契約の双務・片務分類を覚えましょう。「売買・賃貸借・雇用・請負=双務」「贈与・使用貸借=片務」と整理してください。同時履行の抗弁権(533条)は双務契約特有の重要効果として頻出です。
まとめ
- 双務契約は対価関係にある債務を相互に負う
- 売買・賃貸借・請負などは双務契約
- 双務契約には同時履行の抗弁権(533条)