【問28】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|心裡留保
法体系・取引の基礎 問28/40難易度C(難しい)
問題文
心裡留保に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.心裡留保による意思表示は当然に無効である。
- 2.心裡留保は原則有効、相手方悪意・有過失なら無効。
- 3.心裡留保は相手方の主観に関係なく常に取消事由となる。
- 4.心裡留保は冗談で行った意思表示の場合のみ問題となる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法93条1項本文により、心裡留保による意思表示は原則として「その効力を妨げられない」と規定し、有効です。当然無効ではありません。
選択肢2 → ✅
民法93条1項本文により心裡留保は原則有効ですが、ただし書により相手方が表意者の真意でないことを知り(悪意)、または知ることができた(有過失)ときは無効となります。
選択肢3 → ❌
心裡留保は無効事由であって取消事由ではありません。また、相手方の主観により効果が異なります(原則有効、悪意有過失で無効)。
選択肢4 → ❌
心裡留保は冗談に限らず、表意者が真意ではないと知りながら意思表示をする場合一般を指します。営業上の駆け引きで本心と異なる発言をする場合も含まれます。
背景知識
心裡留保とは、表意者が自己の意思表示が真意ではないことを知りながら行うことをいいます。「冗談で言った」「営業トークで本心と違う発言をした」などが該当します。民法93条1項は、表意者の真意よりも表示への信頼を優先し、原則として意思表示を有効としています。ただし、相手方が真意でないことを知っていたり(悪意)、知ることができた(有過失)場合は、保護に値しないため無効としています。2017年改正で第三者保護規定(93条2項)が新設され、心裡留保による無効は善意の第三者に対抗できなくなりました。これにより通謀虚偽表示と同様の第三者保護が図られています。心裡留保は意思表示の安定性を重視する制度です。
学習アドバイス
心裡留保の基本構造(原則有効、悪意・有過失で無効)を覚えましょう。2017年改正で新設された93条2項(善意第三者保護)も重要改正点です。意思表示の瑕疵(心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫)を一覧表で整理することが応用力向上に役立ちます。
まとめ
- 心裡留保は原則有効(93条1項本文)
- 相手方悪意・有過失で無効(同条ただし書)
- 善意第三者には無効を対抗不可(93条2項)