【問24】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|錯誤による意思表示
問題文
錯誤に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.錯誤による意思表示は重要なものであれば常に当然無効となる。
- 2.意思表示の錯誤が重要なものであるとき、表意者はこれを取り消すことができる。
- 3.表意者に重大な過失がある場合でも、すべての場合において錯誤取消しを主張できる。
- 4.動機の錯誤(基礎事情の錯誤)は明示的に表示されない場合でも常に取消事由となる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
2017年改正前は錯誤の効果は「無効」でしたが、改正後は「取消し」となりました(民法95条1項)。当然無効ではなく、取消権を行使してはじめて効力が失われます。
選択肢2 → ✅
民法95条1項により、錯誤が(1)意思表示に対応する意思を欠く錯誤、または(2)表意者が法律行為の基礎とした事情の錯誤で、いずれも法律行為の目的・取引通念に照らして重要なものである場合、取り消すことができます。
選択肢3 → ❌
民法95条3項により、表意者に重大な過失がある場合は原則として取消しを主張できません。ただし(1)相手方が錯誤を知り又は重大過失で知らなかった場合、(2)相手方が同一錯誤に陥っていた場合は例外的に主張可能です。
選択肢4 → ❌
民法95条2項により、基礎事情の錯誤(動機の錯誤)は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、取消しの対象となります。明示的な表示が要件です。
背景知識
錯誤とは、表意者が真意と異なる表示をすることをいいます。2017年改正により錯誤制度は大きく変更されました。改正後は(1)効果が「無効」から「取消し」に変更、(2)表示の錯誤と基礎事情の錯誤の区別が明文化、(3)基礎事情の錯誤は表示が必要、(4)第三者保護規定が新設(95条4項:善意無過失第三者保護)などの変更がありました。錯誤の重要性判断は法律行為の目的と取引通念から判断されます。例えば、土地の境界を1mと思って売買したが実際は10mだった場合、価格に大きく影響するため重要な錯誤となります。表意者の重過失は原則として取消しを否定します(95条3項)。
学習アドバイス
2017年改正は重要な改正点です。「錯誤の効果=取消し(無効ではない)」を最重要事項として覚えましょう。基礎事情の錯誤は表示要件が必要、表意者の重過失は原則として取消し否定という二つの重要ポイントも押さえてください。
まとめ
- 錯誤の効果は取消し(2017年改正)
- 重要な錯誤であることが要件(95条1項)
- 表意者の重過失は原則として取消し否定