【問17】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|表見代理
問題文
表見代理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.表見代理が成立すれば、相手方が善意無過失でなくとも本人に効果が帰属する。
- 2.表見代理は無権代理行為に対する取引安全の保護制度であり、本人に責任が生じる。
- 3.代理権授与表示による表見代理は、本人が表示した代理権の範囲を超える行為にも常に適用される。
- 4.代理権消滅後の表見代理は、消滅後速やかに通知すれば成立しない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
表見代理は相手方が善意無過失(または相当の事由がある等)であることが要件です。悪意・有過失の相手方は保護されません。
選択肢2 → ✅
表見代理は、本人と無権代理人との間に一定の関係がある場合、相手方の信頼を保護するため代理行為の効果を本人に帰属させる制度です。取引安全保護のため本人が責任を負います(民法109・110・112条)。
選択肢3 → ❌
代理権授与表示による表見代理(民法109条1項)は、表示された代理権の範囲内の行為について成立します。範囲外の行為は別途権限踰越の表見代理(110条)の要件で判断されます。109条2項は両者の合わさった場合を規定。
選択肢4 → ❌
代理権消滅後の表見代理(民法112条1項)は、相手方が消滅を知らず、知らなかったことに過失がない場合に成立します。本人が消滅を通知しただけでは表見代理が成立しないわけではなく、相手方の知不知が判断基準です。
背景知識
表見代理は無権代理行為について、本人に責任が生じる制度で、3つの類型があります。(1)代理権授与表示による表見代理(民法109条):代理権を与えていないのに与えたかのような外観を作出した本人の責任、(2)権限踰越による表見代理(110条):代理人が代理権の範囲を超える行為をした場合、(3)代理権消滅後の表見代理(112条):代理権が消滅した後の行為。いずれも相手方の善意無過失(または正当な理由)が必要です。本人にもある程度の帰責性が必要で、無関係な第三者には適用されません。表見代理が成立すれば本人に効果が帰属し、相手方は無権代理人への117条責任を追及できなくなります。
学習アドバイス
表見代理の3類型(109・110・112条)を必ず暗記し、それぞれの要件(相手方の善意無過失と本人の帰責事由)を整理しましょう。実例(社員が会社印を盗用、退職した代理人が取引)で具体的にイメージできるようにすると応用が利きます。
まとめ
- 表見代理は取引安全保護の制度
- 109条(授与表示)・110条(権限踰越)・112条(消滅後)の3類型
- 相手方の善意無過失が必要