【問59】個人情報保護士 練習問題|適正な取得・利用目的の制限
問題文
個人情報取扱事業者C社は、顧客の購買履歴を「商品レコメンド機能の提供」を利用目的として取得していた。C社がこのデータを利用してAIモデルを学習させ、ターゲティング広告に活用する場合の対応として、最も適切なものはどれか。
- 1.AIの学習は技術的な処理に過ぎないため、利用目的の範囲内であり対応不要である。
- 2.ターゲティング広告への活用は利用目的の範囲を超えるため、あらかじめ本人の同意を得るか、利用目的を変更して通知・公表する必要がある。
- 3.匿名化すれば利用目的に関わらず自由に利用できる。
- 4.社内利用であるため、目的外利用には該当しない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
AIモデルの学習自体が目的外利用に当たるかどうかは、学習の結果どのように利用されるかによります。ターゲティング広告への活用は「商品レコメンド機能の提供」とは異なる利用であり、単なる技術的処理とは評価できません。
選択肢2 → ✅正解
「商品レコメンド機能の提供」と「ターゲティング広告への活用」は異なる利用目的です。利用目的の変更が「関連性を有すると合理的に認められる範囲」(法第17条第2項)内であれば変更後の利用目的を通知・公表し、範囲を超える場合はあらかじめ本人の同意を得る必要があります(法第18条第1項)。
選択肢3 → ❌誤り
「匿名化」という概念は法律上定義されていません。法律上の概念は「匿名加工情報」であり、法第43条以下に定める厳格な加工基準と取扱規制に従う必要があります。単に氏名を削除するだけでは匿名加工情報とはなりません。
選択肢4 → ❌誤り
社内利用であっても、利用目的の範囲を超えた利用は目的外利用に該当します。個人情報保護法は、情報の提供先ではなく、利用の態様によって規制しています。
背景知識
AIやビッグデータの活用が進む中、取得済みの個人情報を新たな目的で利用する場面が増えています。ガイドラインでは、本人が予期し得ない利用、特に取得した閲覧履歴や購買履歴を分析してターゲティング広告に利用する場合などは、その旨を利用目的として明確に特定することが求められています。令和4年改正後は、個人情報の利活用と個人の権利保護のバランスがより重視されています。
学習アドバイス
AI・ビッグデータ時代の個人情報利活用は今後の出題が予想されるテーマです。利用目的の範囲を超える場合は本人同意か利用目的の変更が必要という基本原則を踏まえた上で、匿名加工情報や仮名加工情報の制度も理解しておきましょう。
まとめ
- ターゲティング広告への活用は商品レコメンドとは異なる利用目的
- 利用目的の変更または本人同意が必要
- 社内利用であっても目的外利用は規制の対象