【問196】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|民事保全と民事執行
関連法規 問36/40難易度B(標準)
問題文
民事保全手続および民事執行手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.仮差押えは金銭債権の執行を保全するために行われ、債務者の財産を処分制限する手続である。
- 2.民事執行は判決等の債務名義が確定する前であっても、債権者の申立てがあれば直ちに行うことができる。
- 3.仮処分は金銭債権の保全のためのみに行われ、係争物に関する権利保全には用いられない。
- 4.民事執行手続のうち動産執行は地方裁判所の管轄であり、執行官の関与はない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民事保全法第20条により、仮差押えは金銭債権または金銭に換えうる債権の執行保全のため、債務者の財産を仮に差し押さえる(処分禁止する)手続です。本案訴訟前または訴訟係属中に行うことができます。
選択肢2 → ❌
民事執行法第22条により、強制執行は確定判決・仮執行宣言付判決・公正証書・調停調書等の「債務名義」に基づいて行います。債務名義なしには原則として民事執行はできません。
選択肢3 → ❌
民事保全法第23条により、仮処分には(1)係争物に関する仮処分(処分禁止仮処分・占有移転禁止仮処分等)と(2)仮の地位を定める仮処分があります。金銭債権保全に限定されません。
選択肢4 → ❌
民事執行法第122条等により、動産執行は執行官の関与により執行されます。地方裁判所(または簡易裁判所)の関与する執行とは別系統の手続です。
背景知識
民事執行法は強制執行・担保権実行を規律し、民事保全法は本案訴訟の前段階または並行段階での暫定的措置を規律します。民事執行は債務名義(判決等)を要件とし、対象財産別に不動産執行(裁判所)・動産執行(執行官)・債権執行(裁判所)等の手続があります。民事保全は仮差押え(金銭債権)・仮処分(係争物・仮の地位)の3種類で、本案前に被保全権利の疎明・担保供託を経て発令されます。両者の関係は権利実現の段階的構造として理解されます。
学習アドバイス
民事執行=債務名義必要、民事保全=暫定的措置、仮差押=金銭債権、仮処分=非金銭(係争物・仮の地位)、執行官と裁判所の役割分担を整理しましょう。
まとめ
- 仮差押は金銭債権保全(民保法20条)
- 民事執行は債務名義が必要(民執法22条)
- 仮処分は係争物・仮の地位の2種類