【問154】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|手形の善意取得
商法・会社法 問34/40難易度C(難しい)
問題文
手形の善意取得(手形法第16条2項)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.裏書連続ある手形を善意・無重過失で取得すれば権利を得る
- 2.悪意または重過失で手形を取得した者も、善意取得が成立する
- 3.裏書の連続が欠けていても善意取得は成立する
- 4.善意取得は、民法上の即時取得の制度と全く同じである
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
手形法第16条2項により、裏書の連続ある手形を善意・無重過失で取得した者は、譲渡人が無権利者でも権利を取得します。
選択肢2 → ❌
悪意・重過失の取得者は善意取得の保護を受けません。
選択肢3 → ❌
裏書連続は善意取得の前提要件です。
選択肢4 → ❌
民法の即時取得とは要件・効果が一部異なります(動産が対象、無重過失要件等)。
背景知識
手形の善意取得は手形法第16条2項に規定される、流通保護のための重要な制度です。同項は「何らかの事由により手形の占有を失った者あるときは、所持人が、前項の規定により(=裏書の連続によって)その権利を証明する場合においては、手形を返還する義務を負わない。但し、所持人が悪意又は重大なる過失により手形を取得したるときはこの限りにあらず」と規定します。要件は(1)裏書の連続ある手形であること、(2)取得者が善意・無重過失であること、です。これにより前者の無権利等の瑕疵が治癒され、取得者は手形上の権利を確定的に取得します。手形が広く流通可能であることを支える根本的制度で、民法の即時取得(民法第192条)よりも保護要件が緩く、流通保護を強く図っています。
学習アドバイス
善意取得の要件「裏書連続+善意・無重過失」を覚えましょう。「悪意または重過失」が阻却事由です。民法の即時取得との比較で、手形は流通保護がより強い点を理解してください。
まとめ
- 手形の善意取得は手形法第16条2項
- 裏書連続+善意無重過失で権利取得
- 流通保護のための重要制度