【問148】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|商事留置権
商法・会社法 問28/40難易度C(難しい)
問題文
商事留置権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.商人間の留置権は、双方のために商行為となる行為によって生じた債権について認められる
- 2.商事留置権の被担保債権と留置物の間には、必ず牽連関係が必要である
- 3.商事留置権の対象物は、債務者所有の物に限られない
- 4.商事留置権は、民法の留置権と同じ要件で成立する
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
商法第521条により、商人間の留置権は双方のために商行為となる行為で生じた債権について認められます。
選択肢2 → ❌
商事留置権では牽連関係(被担保債権と留置物の関連)は不要です。
選択肢3 → ❌
商事留置権の対象は債務者所有の物に限られます(商法第521条本文)。
選択肢4 → ❌
商事留置権は民法と異なり牽連関係不要等の特則があります。
背景知識
商法第521条は商人間留置権を規定し、「商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物または有価証券を留置することができる」と定めます。民法の留置権(民法第295条)では被担保債権と留置物の間に牽連関係が必要ですが、商事留置権では牽連関係不要で、商行為で取得した物であれば留置可能という大きな特則があります。これは継続的商取引の信用維持のためです。例えばA社がB社に複数取引で債務がある場合、別の取引で占有取得した物も留置の対象となります。被担保債権・留置物が共に商行為由来であることが要件です。
学習アドバイス
商事留置権の特則「牽連関係不要」が最重要です。民法留置権との違い(商人間限定、双方商行為、債務者所有限定)を整理しましょう。継続的取引における担保機能を意識すると理解が深まります。
まとめ
- 商事留置権は商法第521条が規定
- 牽連関係不要(民法と異なる)
- 双方商行為由来の債権・物が対象