【問119】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|遺留分
問題文
遺留分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問は2019年7月施行の改正民法に基づくものとする。
- 1.兄弟姉妹も、被相続人の配偶者や子と同様に、遺留分を有する。
- 2.遺留分を侵害する遺贈または贈与を受けた者に対しては、遺留分権利者は当該遺贈または贈与の効力を否定することができる。
- 3.遺留分を侵害された者は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
- 4.遺留分の権利は、相続開始の時から1年間行使しないときであっても、消滅することはない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
2019年7月施行の改正民法1046条1項により、遺留分を侵害された者は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できます(遺留分侵害額請求権)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法1042条1項により、兄弟姉妹には遺留分はありません。遺留分権利者は、配偶者、子(およびその代襲相続人)、直系尊属に限定されます。
選択肢2 → ❌
2019年改正前は遺留分減殺請求として現物返還が原則でしたが、改正後は金銭請求権(遺留分侵害額請求権)に変わりました。「効力を否定できる」というのは旧法の発想で誤りです。
選択肢3 → ✅
改正民法1046条1項のとおり、金銭による侵害額請求が現行制度です。
選択肢4 → ❌
民法1048条により、遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、または相続開始の時から10年経過したときに時効消滅します。
背景知識
遺留分は、被相続人の遺言の自由を制限し、配偶者・子・直系尊属の一定の生活保障を図る制度です。遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は1/3、それ以外(配偶者・子)の場合は1/2です。各個人の遺留分は、これに法定相続分を乗じて算出します。2019年7月施行の改正により、減殺請求(現物返還)から侵害額請求(金銭請求)に変わり、事業承継等で問題視されていた現物返還による事業の混乱が解消されました。時効は知った時から1年または相続開始から10年で、短期消滅時効に注意が必要です。
学習アドバイス
2019年改正は重要論点です。「現物返還→金銭支払」と覚えましょう。遺留分権利者から兄弟姉妹が除外されること、消滅時効1年(短期)も頻出です。遺留分の割合(1/3または1/2)と各個人の取り分計算も練習しておきましょう。
まとめ
- 遺留分は配偶者・子・直系尊属のみ(兄弟姉妹なし)
- 2019年改正で金銭支払請求(遺留分侵害額請求権)
- 時効は知った時から1年・相続開始から10年