【問120】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|配偶者居住権
民法(物権・担保・相続) 問40/40難易度C(難しい)
問題文
2020年4月施行の改正民法により創設された配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.被相続人の建物に相続開始時に居住していた配偶者が、遺産分割または遺贈で取得できる。
- 2.配偶者居住権は、配偶者が再婚した場合には、当然に消滅する。
- 3.配偶者居住権は、配偶者がその権利を第三者に自由に譲渡することができる権利である。
- 4.配偶者居住権の存続期間は、必ず配偶者の終身とされ、これを変更することは認められない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法1028条1項により、配偶者居住権は、被相続人の配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合、遺産分割・遺贈・死因贈与・家庭裁判所の審判によって取得できます。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法1028条のとおりで、配偶者の居住権を保護する制度です。
選択肢2 → ❌
配偶者の再婚は配偶者居住権の消滅事由ではありません。消滅事由は存続期間の満了、配偶者の死亡などです。
選択肢3 → ❌
民法1032条2項により、配偶者居住権は譲渡できません(一身専属性)。
選択肢4 → ❌
民法1030条により、原則として配偶者の終身ですが、遺産分割協議・遺言・家裁の審判で別段の定めができます。「必ず終身」というのは誤りです。
背景知識
配偶者居住権は、2020年4月施行の改正民法で新設された制度で、高齢配偶者の居住の安定と生活費の確保を両立させるため設けられました。従来は、配偶者が居住建物の所有権を取得すると他の遺産(預貯金等)の取り分が減って生活費に不安が生じる問題がありました。配偶者居住権を設定することで、配偶者は建物の所有権を取得せずに居住権のみ確保し、預貯金等を多く相続できる構造です。期間は終身が原則ですが別段の定めも可能で、譲渡はできません(一身専属性)。配偶者短期居住権(1037条以下)も同時に新設され、最低6か月の居住保護があります。
学習アドバイス
配偶者居住権は2020年改正の新制度で、近年特に出題が増えています。要件(相続開始時居住・遺産分割等で取得)、譲渡不可、期間(原則終身)の3点を押さえましょう。配偶者短期居住権との違いも応用論点です。
まとめ
- 配偶者居住権は2020年4月施行の新制度
- 遺産分割・遺贈等で取得し譲渡は不可
- 存続期間は原則終身(別段の定め可)