【問117】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|相続の承認・放棄
民法(物権・担保・相続) 問37/40難易度B(標準)
問題文
相続の承認・放棄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.相続人は、相続の開始を知った時から3か月以内に、承認または放棄をしなければならない。
- 2.相続放棄は、家庭裁判所への申述によらず、他の相続人に対する意思表示のみで効力を生ずる。
- 3.相続人が単純承認をすると、被相続人の積極財産は承継するが、消極財産(債務)は承継しない。
- 4.限定承認は、相続人が複数いる場合であっても、各相続人が単独で行うことができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法915条1項により、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間内)に、相続について単純もしくは限定承認または放棄をしなければなりません。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法915条1項のとおり、3か月の熟慮期間内に選択する必要があります。期間内に選択しないと単純承認とみなされます。
選択肢2 → ❌
民法938条により、相続放棄は家庭裁判所への申述によって効力を生じます。他の相続人への意思表示では足りません。
選択肢3 → ❌
単純承認は被相続人の権利義務を包括的に承継するもので、積極財産も消極財産(債務)も承継します(民法920条)。
選択肢4 → ❌
民法923条により、限定承認は共同相続人全員が共同してでなければ行うことができません。単独では不可です。
背景知識
相続が開始すると、相続人は3つの選択肢があります。①単純承認:被相続人の権利義務をすべて承継、②限定承認:相続財産の限度で被相続人の債務を弁済、③相続放棄:当初から相続人でなかったことになります。熟慮期間(3か月)内に選択しなければ単純承認したものとみなされます(921条)。限定承認は手続が複雑で、共同相続人全員での申述が必要です。相続放棄は各相続人が単独で家庭裁判所に申述します。これらの違いを理解することが重要です。
学習アドバイス
「3か月・家庭裁判所への申述・全員(限定承認)」が3つのキーワードです。単純承認・限定承認・放棄の3種類の選択肢、それぞれの効果と手続を整理しましょう。熟慮期間経過で単純承認とみなされる点も重要です。
まとめ
- 相続の選択は熟慮期間3か月以内
- 相続放棄は家庭裁判所への申述で効力発生
- 限定承認は共同相続人全員で行う必要