【問96】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|抵当権の順位
民法(物権・担保・相続) 問16/40難易度C(難しい)
問題文
抵当権の順位に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.同一の不動産に複数の抵当権が設定された場合、順位は登記の前後によって決まる。
- 2.抵当権の順位の変更は、抵当権者全員の合意のみで効力を生じ、登記は対抗要件にすぎない。
- 3.後順位の抵当権者は、先順位の抵当権者の承諾を得なければ抵当権を実行することができない。
- 4.抵当権の順位は、各抵当権者間の合意によっても変更することはできない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法373条により、同一不動産に複数の抵当権が設定された場合、その順位は登記の前後によります。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法373条のとおり、抵当権の順位は登記の前後で決まります。
選択肢2 → ❌
民法374条1項により、抵当権の順位の変更は各抵当権者の合意による必要があり、利害関係人の承諾も必要です。さらに同条2項により、その登記をしなければ効力を生じません。登記は効力要件です。
選択肢3 → ❌
後順位抵当権者は、自己の抵当権を独立して実行できます。先順位抵当権者の承諾は不要です。
選択肢4 → ❌
抵当権の順位は、抵当権者間の合意で変更できます(民法374条1項)。
背景知識
複数の抵当権が同一不動産に設定された場合、登記の先後で優先順位が決まります。これは「登記の対抗力」の重要な現れです。先順位抵当権者は競売代金から優先弁済を受け、残額があれば後順位抵当権者に配当されます。順位は変更可能ですが、各抵当権者の合意と利害関係人の承諾、登記が必要です。なお、順位の譲渡や放棄も認められています。後順位抵当権者でも単独で抵当権実行できる点が、抵当権の順位制度の重要なポイントです。
学習アドバイス
「順位=登記の前後」が大原則です。順位変更には合意・承諾・登記の3点セットが必要なこと、登記が効力要件であることを押さえましょう。後順位でも独立して実行可能な点も実務上重要です。
まとめ
- 抵当権の順位は登記の前後で決まる
- 順位変更には抵当権者の合意・利害関係人の承諾・登記が必要
- 後順位抵当権者も独立して抵当権を実行できる