【問94】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|留置権
民法(物権・担保・相続) 問14/40難易度B(標準)
問題文
民法上の留置権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.留置権者は、債務者の同意を得なくても、留置物を使用、賃貸、または担保に供することができる。
- 2.留置権は、占有が不法行為によって始まった場合であっても成立する。
- 3.留置権は、その目的物について生じた債権を有する者が、その債権の弁済を受けるまで物を留置できる権利である。
- 4.留置権者は、留置物の競売による優先弁済を受ける権利を当然に有する。
解説
正解
正解は選択肢3です。
民法295条1項により、留置権は他人の物の占有者が、その物について生じた債権について、その弁済を受けるまで留置できる権利です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法298条2項により、留置権者は債務者の承諾なく、留置物を使用・賃貸・担保供与することはできません。ただし保存行為は可能です。
選択肢2 → ❌
民法295条2項により、占有が不法行為によって始まった場合は留置権は成立しません。
選択肢3 → ✅
民法295条1項のとおりです。物と債権の牽連性が要件です。
選択肢4 → ❌
留置権には優先弁済権はありません。事実上の優先効はありますが、競売による優先弁済を当然に受けられるわけではありません。
背景知識
留置権は、目的物と債権の牽連関係に基づき、債権の弁済を受けるまで物の引渡しを拒める権利です。例えば、修理代金を受け取るまで修理品を引き渡さない場合などです。質権・抵当権と異なり、留置権は法定担保物権で、当事者の合意なく要件を満たせば自動的に発生します。優先弁済権はありませんが、留置することで事実上の弁済圧力をかけられます。先取特権・留置権が法定担保物権、質権・抵当権が約定担保物権という分類も重要です。
学習アドバイス
留置権は「物と債権の牽連性」「占有が要件」「優先弁済権なし」が3つのポイントです。約定担保物権(質権・抵当権)との違いを整理しましょう。修理代金や費用償還請求権などの典型例で具体的にイメージするのが効果的です。
まとめ
- 留置権は物と債権の牽連関係に基づく法定担保物権
- 不法行為で始まった占有では留置権は成立しない
- 留置権には優先弁済権はない