【問92】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|根抵当権
民法(物権・担保・相続) 問12/40難易度B(標準)
問題文
民法上の根抵当権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.根抵当権は、特定の債権のみを担保するもので、将来発生する債権を担保することはできない。
- 2.根抵当権は、極度額の定めがなくても設定することができる。
- 3.根抵当権の被担保債権は、元本確定前は債権者の交替による自由な譲渡は認められない。
- 4.根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得る必要がない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
民法398条の7第1項により、元本確定前の被担保債権の譲渡は、随伴性がなく根抵当権は移転しません。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保するもので、将来発生する債権も担保できます(民法398条の2第1項)。
選択肢2 → ❌
根抵当権の設定には極度額の定めが必須です。極度額の登記がなければ根抵当権は成立しません。
選択肢3 → ✅
元本確定前は随伴性がなく、被担保債権だけを譲渡しても根抵当権は移転しません。
選択肢4 → ❌
民法398条の5により、極度額の変更は利害関係人の承諾が必要です。
背景知識
根抵当権は、銀行と継続的取引を行う事業者などが利用する担保で、一定範囲の不特定債権を極度額まで担保します。普通抵当権と異なり、被担保債権の特定がない代わりに極度額の設定が必須です。元本確定前は随伴性・付従性が緩和され、個別の債権の発生消滅にかかわらず根抵当権が存続します。元本が確定すると以後は普通抵当権類似の性質を持ちます。継続的取引で発生する多数の債権を一括して担保できる便利な制度です。
学習アドバイス
根抵当権は「極度額」「不特定債権」「元本確定前の随伴性なし」が3つの特徴です。普通抵当権との違いを比較しながら覚えましょう。元本確定前と確定後で性質が変わる点も重要です。
まとめ
- 根抵当権は極度額の範囲で不特定債権を担保
- 元本確定前は随伴性なし(被担保債権譲渡で根抵当権移転せず)
- 極度額変更には利害関係人の承諾が必要