【問85】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|共有持分の処分
民法(物権・担保・相続) 問5/40難易度B(標準)
問題文
共有者の持分処分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.共有者は、自己の持分を他の共有者の同意を得なければ第三者に譲渡することができない。
- 2.共有者の1人が、その持分を放棄したとき、または死亡して相続人がいないとき、その持分は他の共有者に帰属する。
- 3.共有者は、自己の持分にのみ抵当権を設定することは認められない。
- 4.共有物について、共有者の1人が自己の持分を超えて単独で処分した場合、その処分は当然に無効となる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
民法255条により、共有者の1人が持分を放棄したとき、または死亡して相続人がいない場合、その持分は他の共有者に帰属します。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
共有者は自己の持分を自由に処分できます。他の共有者の同意は不要です。
選択肢2 → ✅
民法255条のとおり、放棄または相続人不存在の場合、持分は他の共有者に帰属します。
選択肢3 → ❌
共有者は自己の持分にのみ抵当権を設定することができます。
選択肢4 → ❌
共有者の1人が他の共有者の同意なく共有物全部を処分した場合、自己の持分の限度では有効で、それを超える部分のみ他人物処分として無効・取消しの対象となります。当然に全体が無効になるわけではありません。
背景知識
共有持分は独立した財産権であり、各共有者が自由に処分できるのが原則です。譲渡、抵当権設定、放棄など、自己の持分の範囲では他の共有者の同意なしに行えます。一方、共有物全体の処分には全員の同意が必要です。民法255条の規定は、相続人不存在の特別ルールである民法958条の3との関係で、原則は958条の3が優先し、特別縁故者がいない場合に255条が適用されると解されています。
学習アドバイス
「持分の処分は自由」「共有物全体の処分は全員同意」が基本です。255条の持分帰属ルールと、958条の3との優先関係は応用論点ですが、3級では基本ルールを押さえれば十分です。
まとめ
- 各共有者は自己の持分を自由に処分できる
- 持分放棄・相続人不存在の場合は他の共有者に帰属
- 共有物全体の処分には全員同意が必要