【問84】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|物権の対抗要件
民法(物権・担保・相続) 問4/40難易度A(易しい)
問題文
民法上の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
- 2.動産に関する物権の譲渡は、引渡しがなくとも、契約によって直ちに第三者に対抗することができる。
- 3.不動産の二重譲渡において、後に譲り受けた者が先に登記を備えても、最初の譲渡が有効である以上、所有権は最初の譲受人に帰属する。
- 4.立木の譲渡については、明認方法による公示は対抗要件として認められない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法177条により、不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ第三者に対抗できません。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法177条のとおりで、不動産物権変動の対抗要件は登記です。
選択肢2 → ❌
民法178条により、動産物権の譲渡は引渡しがなければ第三者に対抗できません。
選択肢3 → ❌
不動産の二重譲渡では、先に登記を備えた者が所有権を確定的に取得します。譲渡の先後ではなく登記の先後で決まります。
選択肢4 → ❌
立木については、判例により明認方法(樹皮を削って所有者名を墨書するなど)が対抗要件として認められています。
背景知識
物権変動の対抗要件は、誰が真の権利者であるかを公示するために重要です。不動産は登記、動産は引渡しが対抗要件となります。引渡しには現実の引渡しのほか、簡易の引渡し、占有改定、指図による占有移転があります。立木は本来不動産の一部ですが、独立して取引対象となる場合は明認方法による公示が認められます。二重譲渡では、登記を先に備えた者が確定的な権利者となるため、迅速な登記が重要です。
学習アドバイス
「不動産=登記」「動産=引渡し」が大原則です。引渡しの4類型と、立木の明認方法は応用論点として押さえましょう。二重譲渡における登記の先後ルールは頻出です。
まとめ
- 不動産物権変動の対抗要件は登記
- 動産物権の譲渡の対抗要件は引渡し
- 立木は明認方法が対抗要件として有効