【問78】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|譲渡制限特約と債権譲渡
民法(債権・契約) 問35/36難易度C(難しい)
問題文
譲渡制限の意思表示が付された債権の譲渡に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.譲渡制限特約に違反する債権譲渡は、当然に無効となる
- 2.譲渡制限の意思表示があっても、債権譲渡の効力は妨げられない
- 3.譲渡制限特約のある債権を悪意の譲受人に譲渡した場合、譲渡自体が無効である
- 4.譲渡制限特約があっても、債務者は譲受人に対して履行を拒絶することができない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
改正前は譲渡制限特約に違反する譲渡は無効とされていましたが(旧466条2項本文)、改正により譲渡自体は有効とされました。
選択肢2 → ✅正解
民法466条2項は「当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
466条2項により、譲受人の悪意・善意にかかわらず譲渡自体は有効です。ただし悪意・重過失の譲受人に対しては債務者は履行を拒絶できます(466条3項)。
選択肢4 → ❌誤り
466条3項は、譲渡制限の意思表示について悪意・重過失の譲受人に対しては債務者が履行を拒絶できると規定しています。
背景知識
2020年改正民法は譲渡制限特約の効力を大きく変更しました。旧法では譲渡禁止特約に違反する譲渡は当事者間でも無効とされ、債権譲渡市場の発展を阻害していました。改正法は譲渡自体は有効としつつ、債務者保護のため悪意・重過失の譲受人への履行拒絶(466条3項)、譲受人による催告(同条4項)、預金債権の特則(466条の5)等の規律を整備しました。これにより資金調達手段としての債権譲渡の利用が拡大しました。
学習アドバイス
譲渡制限特約の改正は近年の重要論点です。「譲渡有効+履行拒絶可能」の構造、悪意重過失の判断基準、預金債権の特則をセットで押さえましょう。
まとめ
- 譲渡制限特約があっても譲渡は有効(466条2項)
- 悪意・重過失の譲受人に対しては履行拒絶可能(同条3項)
- 改正で債権譲渡の活用範囲が拡大