【問66】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|受領遅滞の効果
民法(債権・契約) 問26/36難易度B(標準)
問題文
受領遅滞に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.受領遅滞となっても、債務者の注意義務は変わらない
- 2.受領遅滞の双方無責の履行不能は債権者の責めとみなす
- 3.受領遅滞によって増加した履行費用は、債務者が負担する
- 4.受領遅滞は、債権者の同意がない限り発生しない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
民法413条1項は、受領遅滞中の特定物引渡債務の場合「自己の財産に対するのと同一の注意」に軽減されると規定しています。
選択肢2 → ✅正解
民法413条の2第2項は「債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
民法413条2項は「債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、債権者の負担とする」と規定しています。
選択肢4 → ❌誤り
受領遅滞は債権者の受領拒絶・受領不能という客観的状態で発生し、債権者の同意は不要です。
背景知識
2020年改正民法は受領遅滞の効果を明文化しました。①注意義務の軽減(413条1項)、②増加費用の債権者負担(同条2項)、③受領遅滞中の双方無責の履行不能を債権者責任とする(413条の2第2項)の3つです。これにより受領遅滞中の危険分配が明確化され、債権者は反対給付義務を免れません(536条2項)。実務では商品引渡しの受領拒絶等で問題となります。
学習アドバイス
受領遅滞の3つの効果は改正民法の重要論点です。「注意軽減・費用負担転換・履行不能擬制」のセットで覚え、双方無責の履行不能の処理(413条の2第2項)に注意してください。
まとめ
- 受領遅滞中は注意義務が軽減(413条1項)
- 増加費用は債権者負担(同条2項)
- 双方無責の履行不能は債権者責任とみなす(413条の2第2項)