【問65】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|金銭債務の特則
民法(債権・契約) 問25/36難易度B(標準)
問題文
金銭債務の不履行(民法419条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.金銭債務の履行遅滞による損害賠償額は、債権者が実損害を立証してはじめて認められる
- 2.金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができる
- 3.金銭債務の遅延損害金は、約定利率があるときはこれにより、ないときは法定利率による(民法419条1項)
- 4.金銭債務の不履行による損害賠償については、債権者は損害の証明を要する
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
民法419条2項は「債権者は、損害の証明をすることを要しない」と規定しています。
選択肢2 → ❌誤り
民法419条3項は「債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない」と規定しています。
選択肢3 → ✅正解
民法419条1項は「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による」と規定しています。
選択肢4 → ❌誤り
419条2項により損害証明は不要です。
背景知識
金銭債務は履行不能となることがなく(金銭は無限に存在)、履行遅滞のみが問題となります。民法419条は金銭債務に特則を設け、①損害額は法定利率(または約定利率)で算定、②債権者の損害証明不要、③債務者は不可抗力を抗弁にできない、と規定しています。これは金銭債務の特殊性を考慮した規定です。改正により法定利率は当初年3%(404条2項)で3年ごとに変動する仕組みに改められました。
学習アドバイス
金銭債務の3つの特則(法定利率、損害証明不要、不可抗力抗弁不可)をセットで覚えましょう。法定利率の改正(年5%→年3%、変動制)も重要論点です。
まとめ
- 遅延損害金は法定利率(または高い約定利率)で算定(419条1項)
- 損害の証明は不要(同条2項)
- 不可抗力を抗弁にできない(同条3項)