【問60】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|請負の中途解除と割合報酬
民法(債権・契約) 問20/36難易度C(難しい)
問題文
請負契約が仕事完成前に解除された場合の請負人の報酬請求権に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.仕事完成前に解除された場合、請負人は一切の報酬を請求できない
- 2.出来形部分が可分で注文者の利益となる場合、割合的報酬を請求できる
- 3.中途解除の場合、請負人は仕事完成時の報酬全額を請求できる
- 4.中途解除では、注文者の帰責事由がない限り、請負人は全く救済されない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
改正民法634条は出来形部分について割合的報酬請求権を認めました。
選択肢2 → ✅正解
民法634条は「次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分は仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる」と規定しています。①注文者の責めに帰することができない事由による完成不能、②契約解除前の仕事終了です。
選択肢3 → ❌誤り
仕事完成前ですから完成時の報酬全額は請求できません。
選択肢4 → ❌誤り
634条は注文者の帰責事由を要件としていません。出来形の可分性と利益性のみが要件です。
背景知識
旧民法は請負の中途解除における請負人の報酬請求について明文規定がなく、判例・解釈に委ねられていました。改正民法634条は、出来形部分の可分性と注文者の利益性を要件に割合的報酬請求権を認め、請負人の保護を図りました。「可分」とは仕事内容が分割可能であること、「利益」とは注文者にとって完成部分が経済的に有用であることをいいます。建設工事や受託開発などで実務上重要な規定です。
学習アドバイス
634条は改正民法の新規定で重要な得点ポイントです。「可分」「利益」の二要件と、注文者の帰責事由不要である点を押さえましょう。
まとめ
- 出来形部分の割合的報酬請求権を新設(634条)
- 可分性と利益性が要件
- 注文者の帰責事由は不要