【問59】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|賃借権の対抗要件
民法(債権・契約) 問19/36難易度C(難しい)
問題文
建物賃借権の対抗要件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.建物賃借権は登記をしなければ、いかなる第三者にも対抗できない
- 2.建物賃借権は、登記がなくても引渡しがあれば第三者に対抗できる
- 3.建物賃借権の対抗要件は、賃貸借契約書の作成のみで足りる
- 4.建物賃借権は、賃借人が建物を所有している場合に限り対抗力を有する
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
建物賃借権は借地借家法31条により、引渡しがあれば対抗力を有します。
選択肢2 → ✅正解
借地借家法31条は「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
契約書作成は対抗要件ではありません。
選択肢4 → ❌誤り
賃借人が建物を所有しているのは賃貸借ではなくむしろ所有権者であり、設問が成立しません。建物賃借権は他人所有の建物を借りる権利です。
背景知識
民法605条は賃貸借の登記による対抗要件を定めますが、賃貸人の協力がない限り登記は実現しません。そこで借地借家法は、土地賃借権については借地上の建物登記(10条)、建物賃借権については建物の引渡し(31条)を対抗要件としました。これらは民法の特則として実務上極めて重要です。新所有者は賃貸借を承継し、賃借人を追い出すことができません。
学習アドバイス
対抗要件は「民法605条登記」「借地借家法10条建物登記」「借地借家法31条引渡し」の3つを区別して覚えましょう。土地と建物、登記と引渡しの組合せが重要です。
まとめ
- 民法605条は賃借権登記が原則
- 借地借家法31条は建物引渡しを対抗要件とする特則
- 借地借家法10条は借地上の建物登記を対抗要件とする