【問52】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|賃借人の修繕義務と通知
民法(債権・契約) 問12/36難易度A(易しい)
問題文
賃貸借契約における修繕に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.賃貸物の修繕は、原則として賃借人が自らの費用で行わなければならない
- 2.賃貸人は賃貸物の使用収益に必要な修繕をする義務を負う(民法606条1項)
- 3.賃貸物に修繕を要するときも、賃借人は賃貸人に通知する義務はない
- 4.賃借人は、賃貸人の承諾を得ずに、いかなる場合にも自ら修繕を行うことができる
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
原則として修繕義務は賃貸人が負担します(606条1項)。
選択肢2 → ✅正解
民法606条1項本文は「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
民法615条は「賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない」と規定しています。
選択肢4 → ❌誤り
607条の2は、賃借人が修繕できる場合を①修繕通知後相当期間内に賃貸人が修繕しない場合と②急迫の事情がある場合に限定しています。
背景知識
2020年改正民法は606条1項にただし書を追加し、賃借人の責めに帰すべき事由による修繕は賃貸人の義務とならない旨を明文化しました。また607条の2を新設し、賃借人が修繕できる場合を明確化しました。賃借人には615条により修繕の必要・権利主張者の存在を遅滞なく通知する義務があり、通知を怠ると修繕拒絶や減額請求等で不利益を受ける可能性があります。
学習アドバイス
賃貸借は条文ベースの問題が多い分野です。606条(賃貸人の修繕義務)、607条の2(賃借人の修繕権)、615条(通知義務)を条文ごとに整理して覚えましょう。
まとめ
- 修繕義務は原則として賃貸人が負担(606条1項)
- 賃借人の帰責事由がある場合は賃貸人の義務外
- 賃借人には修繕の必要を遅滞なく通知する義務(615条)