【問42】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|危険負担の原則
民法(債権・契約) 問2/36難易度A(易しい)
問題文
売買契約締結後、目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由により滅失した場合の危険負担に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.目的物が滅失しても買主は代金支払義務を当然に免れる
- 2.買主は代金の支払を拒むことができる(民法536条1項)
- 3.売主の引渡債務は履行不能であっても消滅せず、債務不履行責任を負う
- 4.改正民法は債権者主義を採用し、買主が危険を負担する
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
改正民法は、債権者は「履行を拒むことができる」と規定しており(536条1項)、当然消滅構成を採用していません。
選択肢2 → ✅正解
改正民法536条1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と定めています。これが債務者主義の原則です。
選択肢3 → ❌誤り
履行不能となった債務は、原始的不能・後発的不能を問わず履行を強制できず、債務不履行による損害賠償も帰責事由が必要です(412条の2、415条)。
選択肢4 → ❌誤り
改正民法は旧534条の特定物債権者主義を廃止し、原則として債務者主義(履行拒絶構成)に統一しました。
背景知識
2020年改正前は特定物の売買において債権者主義(旧534条)を採っていたため、目的物が滅失しても買主は代金を支払わねばならず不公平との批判がありました。改正により旧534条は削除され、双方無責の履行不能では債権者が反対給付の履行を拒める「履行拒絶構成」に統一されました(536条1項)。なお買主に帰責事由がある場合は536条2項により買主が反対給付義務を負担します。
学習アドバイス
危険負担は改正民法の主要論点です。「当然消滅」ではなく「履行拒絶」という構成、債権者主義から債務者主義への転換、旧534条の削除をセットで押さえてください。
まとめ
- 改正民法は債務者主義(履行拒絶構成)を採用
- 旧534条の特定物債権者主義は削除された
- 双方無責の場合、買主は代金支払を拒絶できる(536条1項)