【問3】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|判例法の意義と効力
法体系・取引の基礎 問3/40難易度A(易しい)
問題文
判例法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.日本の最高裁判所判例は法律と同じ条文として国会に承認されている。
- 2.判例は同種事件の裁判の指針として実務上重要な役割を果たす。
- 3.下級裁判所の判決はすべて判例法として一般的拘束力を持つ。
- 4.最高裁判例は永久不変であり、後の最高裁でも変更できない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
日本は成文法主義を採用しており、判例は法律として国会で承認されるものではありません。ただし実務上、最高裁判例は強い影響力を持ちます。
選択肢2 → ✅
判例(特に最高裁判例)は同種事件の解決における重要な指針となり、下級裁判所も実質的にこれに従う傾向があります。法律解釈の安定性確保に不可欠です。
選択肢3 → ❌
下級裁判所(地裁・高裁)の判決は当該事件にのみ効力を有し、一般的拘束力(他の事件への拘束)はありません。判例として注目されるのは主に最高裁判例です。
選択肢4 → ❌
最高裁判所は大法廷の判決により従前の判例を変更できます(裁判所法10条3号)。実際、過去の判例が変更された例は多数あります。
背景知識
日本は明治期にドイツ・フランス法を継受した「成文法主義」の国であり、英米法のような「判例法主義」とは異なります。しかし実際には、抽象的な法律条文を具体的事案に適用する際の解釈基準として最高裁判例の役割は極めて大きく、「事実上の法源」として機能しています。最高裁が判例を変更する場合は大法廷(裁判官全員)で行うこととされ、変更には慎重さが要求されます。商取引の安定のため、企業の法務担当者も最新の判例動向を把握しておくことが求められます。
学習アドバイス
日本は成文法主義であること、しかし最高裁判例は事実上の重要な法源であることを区別して理解しましょう。判例変更には大法廷判決が必要という点も頻出ポイントです。
まとめ
- 日本は成文法主義を採用
- 最高裁判例は事実上の法源として実務上重要
- 判例変更は最高裁大法廷で可能