【問161】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|消費者契約法の取消事由
関連法規 問1/40難易度A(易しい)
問題文
消費者契約法に基づく契約の取消しに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者が誤認して契約した場合、消費者は契約を取り消すことができる。
- 2.事業者が消費者の自宅から退去せず、消費者が困惑して契約した場合でも、契約を取り消すことはできない。
- 3.消費者契約法による取消権は、追認をすることができる時から6か月以内に行使しなければ時効によって消滅し、契約締結の時から3年を経過したときも同様に消滅する。
- 4.消費者契約法は事業者間の契約にも適用され、対等な事業者でも取消権を行使できる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
消費者契約法第4条第1項第1号により、事業者が重要事項について「事実と異なることを告げる」(不実告知)行為により消費者が誤認して契約した場合、消費者はその意思表示を取り消すことができます。代表的な取消事由です。
選択肢2 → ❌
消費者契約法第4条第3項第1号により、事業者が消費者の住居から退去すべき旨の意思表示をしたにもかかわらず退去しない(不退去)ことで消費者が困惑して契約した場合、取り消すことができます。
選択肢3 → ❌
消費者契約法第7条第1項により、取消権は追認をすることができる時から1年(霊感商法等に係る取消権は3年)、契約締結の時から5年(同10年)で時効消滅します。短期は6か月ではなく1年(6か月は平成28年改正前の期間)、長期は3年ではなく5年です。
選択肢4 → ❌
消費者契約法第2条により、本法は「消費者」と「事業者」との間の契約(消費者契約)に適用されます。事業者間契約には適用されません。
背景知識
消費者契約法は2000年に制定された消費者保護の基本法で、情報の質量・交渉力の格差を前提に消費者を保護します。取消事由には誤認類型(不実告知・断定的判断の提供・不利益事実の不告知)と困惑類型(不退去・退去妨害・社会生活上の経験不足の不当利用等)があります。2018年・2022年改正で困惑類型が拡充され、霊感商法対策の規定も追加されました。さらに第8条以降では事業者の損害賠償責任を免除する条項などの不当条項を無効とする規定も置かれています。
学習アドバイス
取消事由の類型と期間制限(1年/5年)は頻出です。誤認・困惑・過量契約の3区分を整理し、具体例とセットで暗記しましょう。事業者間取引には適用されない点も要注意です。
まとめ
- 不実告知は取消事由となる(法4条1項1号)
- 不退去・退去妨害も困惑類型として取消可能
- 取消権の時効は短期1年・長期5年