貸金業務取扱主任者は意味ない?取得するメリットと使い道
「貸金業務取扱主任者って取っても意味ないのでは?」という声をネット上で見かけることがあります。確かに宅建やFPと比べると知名度は低く、活用場面がわかりにくい資格です。しかし、本当に意味がないかどうかは、その人のキャリアや目的によって大きく変わります。
貸金業務取扱主任者が「意味ない」と言われる理由
業界外での知名度が低い
貸金業務取扱主任者は国家資格ですが、一般的な認知度は高くありません。「どんな資格?」と聞かれて即座に答えられる人は、金融業界以外ではほとんどいないのが現状です。履歴書に書いても、面接官がその価値を理解してくれないケースもあります。
活用場面が限定的に見える
この資格が直接役立つのは、基本的に貸金業を営む企業に勤務する場合です。銀行や証券会社など、貸金業登録をしていない金融機関では設置義務がないため、「使い道が狭い」と感じる人もいます。
独占業務がない
税理士や弁護士のように「この資格がないとできない業務」があるわけではありません。貸金業務取扱主任者は企業に設置が義務づけられている「必置資格」であって、個人の独占業務資格ではないため、その点で物足りなさを感じる人もいるようです。
貸金業務取扱主任者を取得するメリット
では、実際にこの資格を取るメリットはどこにあるのでしょうか。
貸金業者での設置義務がある
貸金業法では、営業所ごとに従業員50人につき1人以上の貸金業務取扱主任者を設置することが義務づけられています。これは法律上の要件であり、有資格者がいなければ営業ができません。
消費者金融、クレジットカード会社、信販会社など、貸金業登録を行っている企業では常に一定数の有資格者が必要です。つまり、この業界で働くなら「持っていて当然」の資格であり、持っていないとキャリアの選択肢が狭まります。
金融業界への転職で有利になる
貸金業界は慢性的に有資格者が不足している傾向があります。特に中小の貸金業者やフィンテック系の新規参入企業では、有資格者の確保が課題になっているケースも少なくありません。
求人サイトで「貸金業務取扱主任者」を検索すると、資格保有者を優遇する求人が一定数見つかります。未経験でも資格を持っているだけでエントリーできるポジションもあり、転職活動において具体的な武器になります。
金融知識の体系的な証明になる
試験では、貸金業法だけでなく民法・利息制限法・個人情報保護法など幅広い法令知識が問われます。合格すれば、金融に関する法的な知識を体系的に身につけていることの証明になります。
実務で顧客対応や契約業務を行う際にも、法令の根拠を理解したうえで判断できるのは大きな強みです。
貸金業務取扱主任者の年収への影響
この資格を持つことで、年収にどの程度の影響があるのでしょうか。
資格手当として月額5,000円〜20,000円を支給する企業があります。年間にすると6万〜24万円の上乗せです。会社によって金額は異なりますが、取得コスト(受験料8,500円+テキスト代)を考えれば、短期間で元が取れる計算です。
また、資格保有が昇進の条件になっている企業もあります。直接的な手当だけでなく、キャリアアップを通じた年収増加も期待できます。
他の金融系資格との組み合わせで価値が上がる
貸金業務取扱主任者は単体よりも、他の資格と組み合わせることで市場価値が高まります。
- FP(ファイナンシャルプランナー):顧客の資金計画を総合的にアドバイスできるようになります。個人向けローンの相談業務で特に相性が良い組み合わせです
- 宅地建物取引士(宅建):不動産担保ローンや住宅ローンの分野で、不動産と金融の両面からサポートできる人材は重宝されます
- 日商簿記2級:融資審査や財務分析の実務に直結するスキルが加わり、審査部門でのキャリアが開けます
1つの資格だけで劇的にキャリアが変わることは稀ですが、複数の資格を組み合わせることで「この分野のプロフェッショナル」としてのポジションが築けます。
意味がないのではなく、活かし方次第
結局のところ、貸金業務取扱主任者が「意味ない」かどうかは、自分のキャリアプラン次第です。貸金業界で働いている人、金融業界への転職を考えている人にとっては、取得する意味は十分にあります。
一方で、金融とまったく関係のない分野で働いていて、今後も関わる予定がない場合は、優先順位が低い資格かもしれません。ただし、フィンテックの広がりによって貸金業登録を取る企業は増えており、将来的な需要は拡大傾向にあります。
資格の価値は自分でつくるものです。まずは試験の内容を把握するところから始めてみてください。貸金業務取扱主任者とはの記事で資格の全体像を確認できます。
練習問題に挑戦する